2018年11月9日金曜日

バカ映画と揚げ物をつまみながら編み物をする至福の時間

バカ映画と揚げ物と編み物は私の三大好物だが、バカ映画とはなにかという定義をしておかねばなるまい。

極私的でけっして普遍的な定義ではないのだが、バカ映画とはたんに「バカな」内容の映画ということではない。
私の場合、バカな内容であることと、それに巨額の予算と人的労力がつぎこまれているひとが条件となる。

近年のハリウッドはそのような映画を量産する末期的症状を呈している。
そういうものを茶の間にいながらにして、
「もっとほかにお金使うべきところがあるだろうよ」
となかば憤りながら自分も怠慢こいて観る、というところに、理不尽で屈折した快感があるのだ。
いったいなんのニーズだ。

昨日は私の身体的欲求として定期的におとずれる「揚げ物祭り」のニーズを満たすべく、豚バラ肉のかたまりをスライスしてちゃちゃっと揚げた大量のトンカツを中濃ソースまみれにしてつまみながら、オパール毛糸を使った靴下に挑戦しながら、ふとNETFLIXを開いたら、まさに私的定義ぴったりのバカ映画に遭遇したので、ここに嬉々として書き記しておくわけだ。

その映画のタイトルは「スノー・ホワイト」。
そう、「白雪姫」の大人向け実写バージョン。
2012年公開のアメリカとイギリスの共同制作映画。
総予算1億7千万ドルを注ぎこんで作られたということを明記しておきたい。

悪の女王役にシャーリーズ・セロンが出ているのだが、よくこんな役を引き受けたなあとびっくり。
主役はクリステン・スチュワートという女優なのだが、これがまあ、どうやったらここまで魅力のない白雪姫を演じられるのだという名演技。

監督はルパート・サンダースという人で、このあと「ゴースト・イン・ザ・シェル」の実写版を作っている。
私は途中まで観ているのだが、最後まで観る気がうせた。

というような文句をうだうだいいながら、揚げ物をつまみ、編み物をちくちく進める時間が、私にとっては至福の時間なのである。
ありがとう、白雪姫。