2017年11月12日日曜日

自己共感がもたらす「ほがらかさ」

自分が機嫌よくほがらかでいるというのは、とても大切なことだ。
不機嫌な態度でいる人と、機嫌がいい人とでは、どちらに近づきたくなるだろうか。
あるいはいっしょにいてこちらも気が楽なのは、どんな態度の人だろうか。

お母さんが不機嫌だと、家族全員が暗い気持ちになってしまう。
ひょっとして子どもは勉強がはかどらなくなったり、話したいことも話せなくなってしまうかもしれない。
お父さんも本来の自分の能力を発揮しにくくなるかもしれない。

逆に家族のだれかがほがらかだと、みんなも元気になる。
多少しんどかったりつらいことがあったりしても、ほがらかな人に話を聞いてもらって解決策を探してみようと思えるかもしれない。
自分もがんばろうという気持ちになれる。

だれかの気分はまわりに伝染し、影響を与える。
共感的コミュニケーションでは、自分と他人の感情やニーズを切りはなし、影響を受けない、ということを重視しているが、そうはいっても落ちこんだりいらいらしている人のそばにいれば気になるし、機嫌がいい人のそばにいればこちらも元気になる。
人にはミラーニューロンという神経系があって、本能的にまわりの人の感情や身体性を写し取ろうとしてしまう。

では、どうしたらいつもほがらかでいられるのだろうか。
いつもほがらかな人は、いつもしかめつらしい人となにが違うのだろうか。

私自身の経験では、ほがらかさはマインドフルネスや自己共感、心身のいきいきさなどからもたらされる。
いまこの瞬間の自分自身の状態やまわりのことに気づいていて、必要なことや大切にしていることがあればそのことを理解している。
こころも 身体も分離することなくまとまりをもってほどよくいきいきしていて、必要があればすぐに動けるような一種の運動状態である「活体」にある。

こんな状態にあるとき、その人はまわりにたいして感覚や態度がオープンになっている。
自分自身を受容しているだけでなく、他者をも受け入れ、話を聞く準備ができている。
このオープンさは自然なほがらかさを生む。

多くの人が想像できると思うが、自分がいまここにつながってオープンになっているとき、自然に微笑みが生まれ、余裕や客観性がそこにあると感じるだろう。
ここに至るには、ただただ、マインドフルネスと自己共感を心がけ、自分の心身を見るよい視力を養うことが必要だ。

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