2017年11月10日金曜日

いまさらながらあらためて著書紹介『共感的コミュ……』

この年末に『共感的コミュニケーション2018』をリリースする予定で準備をすすめている。
今年初にリリースした『共感的コミュニケーション2017』のつづきにあたるが、内容的には一切かぶっていないので、合わせてお読みいただけるとうれしい。

ところで、この『共感的コミュニケーション』のシリーズは、アメリカの心理学者マーシャル・ローゼンバーグが提唱し、体系化したNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)にもとづいて開催している共感カフェや共感サロン、その他ワークショップや勉強会で実際に提示された人間関係の実際的で具体的な問題を、ひとつずつ取りあげ、読み物としてまとめたものだ。
マーシャルのNVCは『NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法』というタイトルで日本経済新聞社から翻訳本が出ている。
私の友人である安納献氏が監訳にたずさわっていて、こちらも参照していただくことをおすすめする。

私の本の特徴としては、前記のように、実際に起こったことで具体的なエピソードにもとづきながら、共感的コミュニケーションについて考察している、ということがある。
この本に書いたかんがえかたを踏まえて、私は共感カフェなどの勉強会を開催したり、個人セッションをおこなっているが、そこで起こったことや話されたことがまた本にフィードバックされていく、という双方向性が特徴となっている。
年末にリリースする予定の『共感的コミュニケーション2018』も、まさに今年2017年一年間でみなさんから聞いたり私自身が経験したことをもとに書かれた、具体的な内容となっている。
私自身のリアルな経験であり、身体的実感から生まれた、いわば水城ゆうという身体を通過した共感的コミュニケーションの事例考察だ。

日本にNVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)がはいってきたのはまだほんの十数年にしかすぎない。
アメリカからの輸入であり、初期の勉強会といえば、英語の堪能な人が原書を読んだり、現地のワークショップに参加してきた体験をシェアしたり、あるいは現地のトレーナーを招聘してそれを通訳を介して学んだり、といったもどかしいものだった。
しかし、深く学んでいけばわかるように、このコミュニケーション体系はアメリカだけのものでなく、英語圏だけのものではなく、他の言語文化圏や、もちろん日本人にもまったく通用する、人類普遍といってもいいものだ。
それゆえに、日本文化、日本語文化圏のなかでも十分に咀嚼され、こなれていき、身体化する必要があると私は思っている。

かつて仏教が大陸から伝来したとき、僧侶が大陸に渡って学んだり仏典を持ち帰ったり、あるいは大陸から高僧がやってきたりして、ありがたく拝んで学んでいった。
それがいつしか、日本に根付き、土着の文化や宗教ともまじわり、そのスピリッツは保ちながらも日本オリジナルの仏教として広まっていった。
そのときはじめて、仏教は日本人にとって身体化したといえた。
NVCについても、おなじようなことがいえるのではないかと、私はかんがえている。

NVCを共感的コミュニケーションとして日本でも身体化するにはどうしたらいいか。
それは日本人である私が、自分自身の個人的なコミュニケーション体験として実践し、身につけていくことでしか実現できないのではないかと思っている。
その体験を書きしるすことが、私において身体化した共感的コミュニケーションを多くの人に共有の体験としてシェアできることだろう。

アマゾンKindleストアで買える水城ゆうの著書
『仕事をやめたいと思ったときに――共感ハンドブック Vol.1』『祈る人』シリーズ1~4『共感的コミュニケーション2017』『秘密』『桟橋』『ストリーム』『ジャズの聴き方』ほかにも続々とリリース予定です。一度ご覧ください。

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