2017年2月15日水曜日

ボーカルのグループレッスンでコーラスの練習をするわけ

東松原の自宅をひらいて共感カフェを世話してくれている寿美ちゃんが、友だちに声をかけて、ボーカルのグループレッスンにも来てくれています。
寿美ちゃんは〈クレイジー・ファミリー〉というバンドのボーカルをやっていて、ライブもけっこうやっています。
私も何度かピアノ演奏でサポートしたことがあります。
正式にボーカルレッスンを受けたことがないというので、しかしどうせ受けるならありふれたレッスンは絶対にやらなそうな私のレッスンを受けてみたい、といってくれたのです。
実際にありふれたレッスンはやってません。

今回は寿美ちゃんをいれて4人が参加してくれました。
そして今回はコーラスに挑戦してみることにしました。
全員「えー」という顔をしてます。
コーラスというと「ハモり」が苦手、という人が多いようです。
つまり、主旋律以外のパートの音が取れない。

今回コーラスをやってみようと思ったのは、ハモりがうまくなるためではありません。
目的はひとつ、「聴覚の解像度をあげる」です。

音楽演奏のクオリティをあげるためには、歌にしても楽器にしてもこれは共通なんですが、なにより「耳のよさ」が必要になります。
「耳がいい」とは、具体的にどういう状態なのでしょう。
それは「物理的によく聞こえる」という意味ではありません。
「音にたいする解像度が高い」という意味です。

たとえば、オーケストラの演奏を聴いて、一番目立つ主旋律はだれでもとらえることができますし、それに合わせて口ずさむことだってできるでしょう。
しかし、対抗旋律や、低音部でハーモニーの厚みを支えているコントラバスやバスクラリネットの音、その他主旋律のかげでさまざまなニュアンスを作りだしている音、それらすべてを聞きわけるとなると、至難の技です。
だから指揮者などという専門職が成り立つのです。

指揮者の耳、とまではいいませんが、さまざまな音のニュアンスを聞き取れる解像度のよい耳を作りたいのです。
これは訓練によって獲得できます。

歌うというと、たいてい「歌う」ことのほうに注意が向いてしまいますが、それより大事なのは自分が出した音を「聞く」ことです。
「聞く」ことにたけていければ、思うように歌うことも解決します。
まずは聴覚の解像度をあげること。

このための訓練に、私が音楽瞑想ワークでいつもやっている「ソニック・メディテーション」が大変有効なんですが、今回はそのなかでも「声による音響のワーク」を取りだし、最後はコーラス仕立てでみんなに楽しんでもらいました。
とても楽しかったのです。

いつもいってることですが、私のレッスンでは楽しいことしかやりません。
また、音楽の練習は楽しいことしかやらなくていいのです。
そうしないと上達しないからです。
これは本当です。

水城ゆう音楽レッスン@世田谷東北沢(2.26)
2月26日(日)夜、ピアノ付きの音楽室で音楽レッスンをおこないます。18:00から30分単位で、7コマのレッスンを受け付けます。グループレッスンも歓迎。ピアノ、歌、即興、アレンジなど、どうぞチャレンジしてみてください。