独身でひとり暮らしをしていた彼が、部屋でなくなっているのを、会社の同僚が発見した、という情報が、間接的なルートで私にとどいた。
やがてその情報が正しいことがわかり、この世界にすでに彼がいないという現実が確かになった。
しばらく呆然としてことばもなく、なにをしていいやらわからなくなった。
あらかじめ決まっていた予定がなければ、なにもできなかったと思う。
葬儀という儀式は遺された者たちのためにあるのだと、あらためてわかった。
やさしいやさしい男だった。
みんな、がたいの大きさや外見にまどわされるが、内側には想像もつかないほどのやさしさと、それゆえの悲しさ、苦しさを抱えている人だった。
ひとり、みんなから離れて、玄関脇で猫をやさしくなでながら、いつまでも語りかけている姿が、目に焼きついて離れない。
その猫はいまも彼のことを待ちつづけているだろう。
私も、あたまではわかっているけれど、身体がついていってくれない。
なにかしていないと動けなくなってしまいそうに心もとない。
かつぞうくん。
どうぞ安らかにお休みください。
遅かれ早かれ、私もかならずそちらに行きますよ。
また会えるよね。
そのときまで自分のなかにきみの影を置いておきましょう。
この曲はきみが逝ってしまう前に録音したものだけど、きみのことを思いながら編集しました。
伊藤さやかにも同意をもらったので、きみに捧げます。
どうぞ空の上から聴いていてください。
うふTube「Salley Gardens」
Dedicated to my friend Katsuzo(Keizo Katsumoto)