2019年3月13日水曜日

シュトゥットガルトに来た

無事にリュックサックを取りもどして電車に乗り、フランクフルトからシュトゥットガルトに移動した。

途中はまさに田舎の風景で、家の形が違っていなければ日本の田舎の風景とまったく変わりない。
とくに北海道とか信州とか、あのあたりの風景の感じがそっくりだ。
もちろん電車移動なのでディテールはすっとばして雰囲気だけでいっているのだが。

ネットで予約したホテルはシュトゥットガルト市街地の北東のややはずれにある、バート・カンシュタットという地区にある小さな宿で、シュトゥットガルト中央駅からひと駅乗り換える必要がある(歩いても行けるのかもしれないが)。
地図で見ると、メルセデス・ベンツの本拠地らしい。
ベンツ博物館やポルシェ・ミュージアムがあるようだ。

バート・カンシュタットの駅を降りると、まさに古い田舎の駅で、駅前もこじんまりしている。
高さのそろっている石造りの古い建物が多い。
新しい建物もそれらを改造したり、あるいは新築もその風景に違和感のないような造りを心がけているようだ。
なにか条例のようなものがあるのかもしれない(ないのかもしれない)。

ホテルはちょっと豪華な住宅を宿に改造した、という雰囲気の、おそらく初老のご夫婦がふたりでやっている。
地階がフロントと、ちょっとしたレストランになっている。

部屋は広くはないが、ビジネスホテルよりは広くて、清潔。
調度品がおしゃれで、落ち着く。
通りに面しているが、うるさくはない。
そもそも、あまり交通量は多くない。
街全体が落ち着いた感じがする。

駅前の周辺をちょっとだけ散歩してみた。
街並みが美しい。
質素だが、ゆとりが感じられる。
走っている車はベンツが多いのは当然なのか。

とはいえ、ホームレスを何人か見かけた。
裕福な人が住んでいる感じがない。
トルコとかギリシャとか、中近東、アラブ方面の顔立ちが多い。
果物を表にたくさん並べているスーパーにはいってみたら、アラブ音楽が流れていて、店内はエスニックなにおいが立ちこめていた。
食材も中東のものが多かった。

普通のドイツの庶民的なスーパーもあって、冷やかしてみた。
レジの女性たちは椅子にすわって、顔なじみの客と談笑しながら仕事している。
ベルトコンベアがあって、客は買いたい品物をその上に並べておくと、レジ係が足かなにかスイッチ操作があるのか、ベルトを動かして商品をてきぱきとバーコードリーダーに通していく。

そのスーパーの奥のほうには大量の肉、ソーセージ、ハム、チーズのコーナーがあって、おいしそうだった。
そこには調理された肉料理も売られていて、それはやはりアラブ料理っぽい感じだった。

ほんのすこし冷やかして歩いただけだが、道を聞いたり、ものの値段をたずねたりすると、だれもが温かい笑顔を答えてくれる。
私はドイツ語はまったくダメで、へたな英語だが、それでもだれもが温かく応対してくれるので、安心だ。
ドイツなら旅行に来ても、あるいは住むにしても、日本と変わりなく不自由なく暮らせるのではないか。
いや、日本以上にのびのびと暮らせそうな気もするが、どうなんだろう。
一通過者としての、勝手な、一時的な感想にすぎないのかもしれない。