2012年5月24日木曜日

NVCをベースとした共感的コミュニケーションの活動

photo credit: Meredith_Farmer via photo pin

羽根木の家では現代朗読協会と音読療法協会、畳の学校などで、共感的コミュニケーションを用いた活動を継続的におこなっている。

これはアメリカのマーシャル・ローゼンバーグが提唱している「Nonviolent Communication(NVC)」をベースにしたコミュニケーション&コミュニティビルディングの方法で、大変パワフルなコミュニケーション・スキルだ。

私は「共感的コミュニケーション」というわかりやすいいいかたを採用している。


現代朗読では、まず、コンテンポラリーアートの基本である「表現者が自分の優位性をオーディエンスに誇示しない」、コミュニケーションとしての朗読表現をより発展させて、表現行為そのものが共感的コミュニケーションであるという立場で表現行為をおこなっている。

また、運営の方法、つまりコミュニティビルディングそのものに共感的コミュニケーションを使っていて、かなりうまくいっている例だと思う。

現在30人くらいのゼミ生がいるが、だれもが安心して参加し、お互いに共感できる場となっている。人生がまったく変わったといってくれる人もいる。


ここから発展的に分かれた形で、音読療法協会というものができた。

こちらは音読療法という体系化された補完医療のスキルを身につけてもらうことで、精神的・経済的にも自立し、非暴力に生きていけるような人を育成することが目的だ。

すでに何人かマスターコースを修了しようとしているし、2級と1級のボイスセラピスト資格も取得者も20名くらいいる。

また、音読療法の方法そのもののなかに共感的コミュニケーションのスキルも採用していて、これは最新の精神医学でいうところの「認知行動療法」にも通じるすぐれた方法だと認識している。

音読療法ではこれにさらにマインドフルネスのスキルを加えて、すぐれたセルフ心身ケアの方法を体系化している。


羽根木の家だけでなく、6月からは銀座教室もスタートすることになったので、より多くの人に共感的コミュニケーションを知ってもらえる機会ができたと喜んでいる。


畳の学校もまさに共感的コミュニケーションの実践の場で、先日も、これからセラピーコミュニティを運営していきたいという人が、自分のニーズにたどりつき、それを言語化できたことで、大変気持ちが落ち着いて自信を持つことができたといってくれた。


私の活動は、とにかく実践であり、NVCの学びそのものが目的ではなく、その過程であっても実際に使っていくことで自分たちのニーズ、コミュニティのニーズを満たすことをいつも試みている。

興味がある方はとにかく見学にいらしてほしい。

よく「あやしい団体ではないのか」「宗教ではないのか」などと思われているようなのだが、けっしてそんなことはない。
開かれて透明性の高い団体運営を心がけているつもりなので、もしそのように取られたとしたら私の努力がまだ足りないのだろう。