体調はいたって好調なのだが、さすがに寄る年波には勝てないという感じなのか、左肩が痛くなって腕があがらなくなったり(原因は頚椎管狭窄)、昔複雑骨折した右膝の具合がよくなかったり(右腓骨骨折は完治した)、いまは数年前から断続的に悪化したり回復したりを繰り返している左肘の故障が悪化してきていた。
いやしかし、本当は加齢が原因なのではない。
自分の身体の使い方や癖の無自覚が原因なのだ、ということが、透先生の治療を受けてはっきりわかった。
肘の故障は、まず左からはじまって、あまりに悪化してほとんどものも持てなくなったとき、しかたなく近所の病院の整形外科に行った。
まあでも、やることは予想していたとおり、レントゲンを撮って(もちろんそれで治るわけではない)、電磁波をあてて患部を温めて、湿布薬を大量に処方してもらって終わり。
何度か行って改善しないので、ステロイド注射を打たれた。
これは痛かった。
が、よく効いた。
左肘の痛みは数日で消えた。
しかし、故障の原因を取りのぞいているわけではなく、あくまで対症療法なので、しばらくしたら再発した。
あたりまえだ。
山形で治療院をやりながら韓氏意拳も教えておられる高橋透先生が、昭島のK-STUDIOでしばしば治療会をやっておられて、今回行ってみることにした。
以前、透先生に紹介されて、新橋の清水治療室に何度か行き、膝を診てもらったことがある。
頭蓋仙骨療法というのだろうか、西洋医学信奉者から見れば「怪しい」ということになるのだろうが、韓氏意拳も6年めとなる私としてはその考え方もすこしわかるし、エビデンスもある。
西洋医学的対症療法のようなはっきりした「手ごたえ」はないけれど、たしかになにかが変わり、また長期的な効果があるような気がする。
今回は左肘の故障を診てもらったのだが、肝心の左肘はほとんど、というかまったく触らない。
頚椎や股関節、肩関節、背中などに触れながら、ちょっとだけ動かしたり、調整したりする。
治療を受ける前はけっこうな痛みで、ものをつかんだり腕をあげるのにも苦痛だったのが、治療後ははっきりと変化している。
左肘だけでなく、身体全体が調整された感じがする。
治療の過程で透先生から教えてもらったのは、私の肘の故障はおそらく、肩甲骨の固定や左肩を無意識にあげて固めてしまう癖から生じているだろう、ということ。
いわれてみれば、たしかにそんな癖がある。
韓氏意拳の稽古でも、肩があがってしまうことをしばしば指摘される。
これは精神的なこと、たとえば自分では自覚していない緊張があることなどから来ている癖かもしれない。
癖をすぐにやめることは難しいが、自分にそのような癖があると認知していることは、癖の改善にとても役立つ。
そこを注意深く見ていって、この肘の故障がどのように改善されるのか、あるいは改善されないのか、明日からじっくり付き合ってみようと思っている。