2016年4月7日木曜日

朗読生活の心得

現代朗読ではつぎのような原則を大切にしている。

・こう読まなければならない、というものはない。
・こう読んではいけない、というものはない。
・どのように読むかのの根拠は、自分の外側ではなく内側にある。

朗読を学ぶ、練習するというと、たいていは、読み方やルールを覚えたり練習したり、あるいはやってはいけないことを習ったり、といったことをイメージする人が多いだろう。
そもそも、「どのように読むべきか」わからないままで朗読が上達するのか、と不安になるかもしれない。
しかし、現代朗読ではだれかが――たとえば指導者(そんなものはいないが)や演出家が「ここはこう読みなさい」と示すことはない。
そこをどう読むか、どう読みたいかは、すべて厳密に朗読者自身に任されている。
朗読者自身も「こう読まねば」ではなくて、「どう読みたいか」と自分自身に問いかけていくことになる。
「そのように読む」という根拠が、なにかルールや社会的常識や思いこみといった自分の外側から規定されたものではなく、自分の生き生きとした生命活動そのものから生まれた「動き」としての現れかどうか、というところを厳密に見ていく。
これが現代朗読における「練習」ということになる。

講座のすすめかたもまた、そのようなかんがえかたにもとづいている。
「こうしなければならない、こうしてはならない、というものは一切ない」
「自分がやってもいい、やりたい、と感じたことだけをやってみる」

日常生活において朗読の練習をするときもそうだ。
「練習をやらねば」
と思ったときには、それは一切やらないでほしい。
「練習したい、してもいい」
と思ったときだけ、そしてそのときは積極的に、練習に向かってみてほしい。
そのようにしなければ、現代朗読における表現者の成長はない、ということがわかっているから、それを最初にお願いしているのだ。


体験参加可「朗読生活のススメ」(4.9)
すべての人が表現者へと進化し、人生をすばらしくするために現代朗読がお送りする、渾身のシリーズ講座ですが、単発の体験参加も可。4月9日(土)のテーマは「朗読を通して知る自分/自分とはなにか/身体に気づく」。