2016年4月13日水曜日

映画:ジャッカル

1997年製作のアメリカ映画。
フレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』は映画化もされた世界的ベストセラー小説で、私も若いころに夢中になって読んだ。
この「ジャッカル」は、映画化された「ジャッカルの日」の「脚本」の翻案、つまりリメイクされたもの、ということになっている。
ややこしい。

原作者のフレデリック・フォーサイスも最初の映画化されたときの監督のフレッド・ジンネマンも、リメイクの脚本に違和感をおぼえ、クレジットに名をつらねることを拒否した。
それほど脚本がひどいのか、というと、まあそうかもしれない。

キャストはジャッカル役にブルース・ウイリス。
もともと漫画っぽい役者なのだが、この作品では漫画的キャラクターを演じきっていて、それはそれで役どころをきっちり演じているといえる。
ジャッカルを追う終身刑で投獄中の元テロリスト役にリチャード・ギア。
これが飄々とした、どことなくにやけた感じで演じていて、ブルース・ウイリスと対照的に人間臭い。
ギアはコメディ映画やミュージカル映画にもたくさん出ていて、典型的な渋い2枚目俳優と私は勝手にイメージしていたのだが、だいぶ違うのかもしれない。

そこにベテラン俳優のシドニー・ポワチエがからむが、こちらもどことなくぬるく抜けている。
ロシアのKGBの大佐役でダイアン・ヴェノーラという女優が演じているのだが、これがまた漫画的キャラクターを渋く演じている。

製作年を見ると、この前後からハリウッド映画のバカ化が加速していったんだろうなと思う。
つまり、興行収入・観客動員のために、ストーリーの単純化、画面の派手・漫画化、過剰なアクションシーンとそれにともなう無理のある展開、場合によっては破綻したストーリー。
ま、こういう映画が息抜きとして私は大好きなんですがね。

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