2020年6月16日火曜日

essay 20200615 問われている

その瞬間瞬間、正直で居続けられるのはとても難しい。
少なくとも、私にとってもとても困難を伴う。

小さな小さな不正直の積み重ねが大きな不正直、不誠実を作り出す。
自分ひとりではもうどうにもすることができない大きな塊となって、私は誰かに助けを請う。

あられもないみっともない姿となって私もすぐにひざまずく。
そこで問われるのもまた、どこまで正直で居続けられるかどうかということ。

蒸し暑い一日が終わり、不連続にやってきたのは、すごしやすい気温の、静かな風のある日。
空は薄い雲に覆われている。



From editor

嵐の余波はまだまだおさまらない。美しい夕焼けを見たのに、彼がそこで終わりにしなかった。そこになんらかの意図・意味があるのではと穿ちたくなるのは当然だ。
数十年の澱が、見て見ぬふりをしてきた痛みが、死に際して頭上に降りかかってきたのだからしかたがない……のだけれど、呆れ、叫び、身をよじるのが当人だけで済まないのが酷すぎる。
絶望の前に、不正直もまた死に至る病なのではと疑う。
水城に正直さの言葉以外の表現手段があって、本当に良かった。この短い演奏が水城の生き方のリハビリであり、生き延びるための自己採点の試験のように見える。