2015年12月2日水曜日

テキスト表現:プロットの書き方とエチュード

前の日曜日は次世代作家養成ゼミことテキスト表現ゼミを開催した。
常連の奥田くんはオンラインで参加。
とくにテキスト表現ゼミはオンラインでもコミュニケーションのクオリティを落とすことなく、自宅にいながらにして(遠方や家の用事がある人などにも)参加できるので、おすすめ。

さて、前回はプロットの書き方について、まず練習した。
プロットというのは、梗概、あるいはあらすじといわれたりするが、ようするに物語の設計図だ。
私はもう現在はプロットを作ってからなにかを書くというようなことはしていないが、かつて商業作品を書いていたときは綿密なプロットを書いていた。

プロットは伏線も結末もすべて書きこむもので、文字通り設計図だ。
それを読めば建物(物語)の全体像がくまなく想像できるものでなければならない。
登場人物のキャラクターもイメージできるように、適度な詳細さをもって書かれている必要がある。
プロットでもったいぶる必要はまったくない。

プロットが書きあがったら、おもむろに書きはじめたくなるものだが、ちょっと待て。
プロットを見直し、一番やってほしいのは、「どこから書きはじめるか」の再検討だ。
たいていの場合、物語のなかばからズバッと書きはじめるのが効果的だ。
物語のなかで一番動いている場所を探し、そこから書きはじめるのが、人に読ませることを前提に書くテキストの原則だ。
もちろん原則であって、例外はいくらでもあるが。

この日は集客のためのチラシの文言について練習したいと、実物のチラシが持ちこまれたので、それを使って人を惹きつけるためのテキストを書く練習をみんなでおこなった。
こういったエチュードはいつも楽しい。

このテキスト表現ゼミからうまれた機関誌『HiYoMeKi』の第5号が、つい先ほど発刊された。
これについては項をあらためてご案内させていただく。

身体性にアプローチするという斬新な手法でテキスト(文章/文字)を使った自己表現を研究するための講座。12月6日(日)夜のテーマは「冒頭の魅力/大胆なカット」。単発参加も可。