2015年12月6日日曜日

大阪「けさもり」公演はディープに楽しかった(2)

くぼりょがとってくれたのはなんばというか日本橋のスーパーホテルというところで、ここは私は知らなかったのだが、有名なホテルチェーンらしい。
そっけないけれど、さりげなく行き届いていて、泊まるだけなら十分にして心地いい。
ベッドも広くて、ぐっすり眠れた。

朝食も普通。
過不足なく、気を使わない。

12月4日、金曜日。
杪谷は仕込みのためにひと足先に会場に向かった。
私とバラさんとえい子さんの3人で、阪急だか近鉄だかわからない線で九条に向かう。
まずは美術(舞台)のセッティング。
それから照明。
客席のセッティング。
手練れが揃っているので、なんの心配もない。
私も自分の楽器のセッティングをすることにした。

スピーカーが使えないので、ホテルの近くのビックカメラまでもどって、外付けのスピーカーをゲット。
それをMacBookに接続して、無事に音出し成功。
MacBookの音源をMIDIでキーボードからコントロールし、かつキーボードのスピーカーからも別の音を鳴らすという、そこそこ使えるデュアル音源体制を作る。

セッティングが終わったところで、段取りの確認のためのリハーサルを兼ねた場当たり。
照明がはいると、中村えい子さんの舞台美術がとても映える。
一方、私は客席後方の、だれからも見えない位置で演奏。

あとで聞いたのだが、お客さんのなかには最後まで、演奏がライブだったと気づかなかった人がいたそうだ。
そして大部分の人が、即興演奏だとは知らなかっただろうな。

夕方になって名古屋から理子さんがやってきた。
知多から野崎紀子さんも手伝いに来てくれた。
ほかにも受付などの手伝いに何人か、スタッフは充実して、出演者も来客も安心できる体制だった。
げろきょの野々宮卯妙も東京から駆けつけてくれた。

19時に客入れ、19時半きっかりにいよいよ本番の1回めがスタート。
暗転。
オブジェへの照明。
演奏スタート。
暗転のなか、くぼりょが舞台へ。
音楽終わりでバラさんが客席後ろから入場、朗読スタート。

という段取りだったのだが、私が段取りを勘違いしていて、ちょっと手順が狂ってしまった。
というようなことは、しかし、お客さんはだれも気づかなかったであろう。
あとでさんざん笑い話にはなったけれど。

非常に濃密な音と空間の60分、お客さんも多くの方がずっと集中して参加していたようだ。
私も電子楽器という、身体的には不自由なものを扱う演奏だったが、集中してやれた。

音楽は空間と時間の質を変えることができる。
また、朗読者とのやりとりのなかで、パフォーマンスの質そのものに介入できるおもしろさがある。
これに信頼できる照明と、照明のなかで変化していく生きもののようなオブジェが加わって、おもしろくないはずがない。
いやいや、楽しかった。

終わって、お客さんたちとしばらく交流したあと、かるく片付けて、スタッフと知り合い、総勢12名でなんばへ移動。
最終日に打ち上げの時間が取れないので、初日に打ち上げてしまおうということになっていた。

お好み焼きの有名店〈千房〉へ。
飲み食いしながら、この日の話、昔の話、将来の話、11時半近くまで話に花が咲いた。


ホテル組はそのまま歩いて部屋にもどり、この日も私はぐっすり眠った。