2015年12月6日日曜日

大阪「けさもり」公演はディープに楽しかった(1)

2015年12月3日、金曜日。
大阪行きの日だが、朝からがんばってプールで泳ぐ。
そのあとげろきょゼミ。
こちらは少人数でまったり。

午後、品川からのぞみに乗って新大阪へ。
地下鉄で九条へ。
もうかれこれ10年以上になるかな、付き合いがながくなった大阪のナレーターのくぼりょこと窪田涼子が企画した朗読公演「袈裟と盛遠」の演奏サポートが、今回の大阪行きの目的。

「袈裟と盛遠」は芥川龍之介の作品だが、これを使って名古屋のバラさんこと榊原忠美が各地の女優や朗読者と、寄る先々の港の女方式で相手(袈裟)役を変えて公演をやっている。
くぼりょがそれに「わたしも港の女になりたい」と手をあげて、今回の公演が実現することとなった。
舞台美術には京都の織り造形作家・中村えい子さんが参加。
そして照明には長年の付き合いである福井の杪谷直仁。

私と榊原と杪谷は35年来のコンビで、よくまあ長年、変わりもせず表現の先端を追求しつづけてきたものよのお、とあきれつつ感慨深い。

会場である〈座・九条〉に行ってみると、すでに中村えい子さんが舞台美術のセッティングをやっていて、いつもの調子で杪谷がうだうだいいながら全体をひっかきまわしている。
くぼりょがあたふたしてしまうのも無理はない。
慣れればどうってことないんだけどね。

音響関係を調べてみたが、なにがどうなっているのか、さっぱりわからない。
しかも、今回はピアノがない会場なので、持ちこんだ楽器でなんとかするしかない。

持ちこんだのは名古屋の作曲家の坂野さんから借りた、カシオトーンに毛の生えたようなヤマハのキーボード。
ピアノタッチではなく、多少のタッチレスポンスはあるが、基本的にはスイッチ鍵盤。
さいわいなことに、これ自体にスピーカーはついていて、音は出せる。
が、もちろんそれなりの音。
ここからMIDI信号を取りだし、MacBookで拾って、MainStageというソフトウェア音源を鳴らしたい。
Macからはヘッドホンアウトでスピーカーにつないで音を出したいのだが、会場のスピーカーに接続する方法がない(あるのだが、ケーブルが合わない)。

結局、この日、私はなすすべもなく、明日のセッティングをどうするか、ということだけかんがえながら、終了。
みんなも明日が本番のセッティングということにして、そこそこに切りあげて、なんばでご飯を食べることになった。

織り作家の中村えい子さんとは初対面。
セッティングのときから彼女の身体使いが気になっていて、ふだんから自分の身体を使いこんで仕事されている人ではないかと思っていたのだが、話を聞いてみるとやはりそうであるとのこと。
そして制作にたいする姿勢がとても真摯で、前向きであることに打たれるものがあって、今回ご一緒できたことが光栄であった。
引きあわせてくれたくぼりょに感謝。


(つづく)