12月5日、土曜日。
さすがに前日の夜中近くに食べすぎたので、朝食は抜き。
ホテルをチェックアウトして、9時すぎに〈座・九条〉入り。
すでに仕込みは終わっているので、微調整と、客入れ前の整えのみ。
早めの昼食に、バラさん・杪谷と3人で近くの商店街まで出る。
うどんでも、といって出たのだが、うなぎのチェーン店があったので(私はこの店を知らなかったが、全国チェーン店らしい)、釣られてそこにはいる。
小ぶりのうな丼をいただく(とくにおいしいというわけでもなく)。
会場にもどり、12時半開場、13時開演。
これが2回めの公演。
入場者はいちばん多く、席がかなり窮屈になった。
私は音のセッティングを変え、初回とはちがう音作りで。
ちがう音をとくにねらったわけではないが、端的にいえば初回とおなじ風には弾けない、そもそも即興なので、ということだ。
バラさんも、初回のときに打ち合わせにないアドリブで出たり、大阪弁をまじえてフザケたりと、客受けしたものを「封印する」といっていながら、2回めもやはりアドリブやら大阪弁やら駆使してノリノリなのであった。
くぼりょも気合がはいっていて、身体を張ってがんばっていた(という感じがした)。
バラさんは客席をぐるりと取り囲むように動線を描き、ときに私が演奏しているすぐそばで朗読したりしていたのだが、途中で私がちょっとふざけて声にあわせてフレーズをからめたりしていたら、それとのやりとりをしたりはずしたりとちょっと遊んでしまって、思わず吹きだしそうになってしまう場面があった。
お客さんはだれも気づかなかっただろうが。
まあ、そういうことも本番の楽しみのひとつではある。
くぼりょとの距離は遠かったので、音以外ではほとんどからめなかった。
お客さんも私の存在はほとんど気にしていなかっただろう。
最後の挨拶でバラさんが私を紹介してくれたとき、初めて気づいたようにこちらを振り返る人が何人かいたくらいだ。
楽しく2回めを終え、客出し。
会場整理。
すぐに3回め、15時開場、15時半開演。
3回めも気のおもむくまま、自由に楽しくやらせてもらう。
3回とも非常にクオリティの高いパフォーマンスとなったが、それぞれ違ったおもむきがあって、私は大変楽しかった。
全部終わって、客出しもすんだら、なにごともなかったかのようにすばやく撤収。
私も楽器や機材をさっさと片付けて、あとは照明や美術の撤収を手伝う。
午後5時すぎにはきれいに片付いて、会場も現状復帰。
すこし名残り惜しかったが、さっぱりと解散して、私はひとりで新大阪に向かった。
新大阪からは新幹線であっという間に品川へ。
井の頭線に乗り換えの渋谷駅の窓からは、スクランブル交差点の手前の樹木にイルミネーションが点灯し、すっかり年末の風景になっている。
羽根木の家にもどったら、コロンビアからやってきたNVCトレーナーのホルヘとコアメンバーの何人かが来ていたが、ホルヘは時差ぼけですでにお休み。
ほかのメンバーも近くの銭湯に行ったとかで、以外にも静かだった。
私はそのまま自室にもどり、荷物を片付けてから早めに就寝。
楽しい大阪行きだった。
よい出会いもあった。
これを企画してくれたくぼりょこと窪田涼子には心から感謝したい。
ありがとう。