2017年4月21日金曜日

ものごとを進める/進めないの板挟みになったとき

会社などチームであるプロジェクトを進めているとします。
会社でなくても、町内会やPTA、ボランティア活動のグループ、あるいは家族などのチーム行動でも似たようなことがあります。
プロジェクトもさまざまに応用できます。
なにかイベントを企画実行する、ものを作って売る、ある活動を計画して実施する……

そんなチーム内に対立が起こります。
プロジェクトを立案した側は、自分たちのプロジェクトのすばらしさを強調し、ぜひとも実現したいと思っています。
そのプロジェクトの実行隊は、そのすばらしさをいまいち理解できず、実行してもうまくいかないのではないか、このプロジェクトは思いきっと取りやめて、別の計画を検討したほうがいいのではないかという気持ちになっています。

あなたはその間に立つ立場で(チームリーダーかもしれません)、板挟みになっています。
そしてあなたはどちらかというと、プロジェクトを立案した側に立場が近く、できれば実行隊に協力してもらってぜひともプロジェクトを実現したいと思っています。

さて、どうすればいいでしょう。

あなたはすでに共感的コミュニケーションを学んでいるので、だれかに「共感する」ことのパワーを知っています。
なので、尻込みしているプロジェクトの実行隊に共感して、彼らがなにを大事にしているのか、彼らのニーズを聞き、その上で自分のニーズも伝えることはどうだろうか、と思っています。
そのことをかんがえると、仕事が終わってからも、休日にも、気になって落ち着かない気分になってしまいます。

さて、ここで冷静にチェックしてみたいんですが、あなたが落ち着かない気分になっているのは、実行隊に共感しなければ、と思っているからでしょうか。
ひょっとしてあなたが落ち着かないのは、チームにつながりがなく、このプロジェクトの問題を「進める/撤退する」という選択の問題ではなく、そもそもどういうニーズからこのプロジェクトが生まれたのかについてみんなの共通認識もなく、お互いに正直に懸念を表明できる安心の場がないことが原因なのではないでしょうか。

プロジェクトを推進する側は、あなたを含めて、推進するためにはどうすればいいのか、対立する相手に「かけひき」として話をしてしまいます。
相手もプロジェクトを撤退するための「かけひき」として話をしてしまいます。

そうではなくて、全員がチームとしてそのプロジェクトがうまくいく/いかないを含めた共通の自分たちの問題として、つながりを持っている必要があるのです。
チーム内グループの対立ではなく、チーム全体の問題として全員がプロジェクトの問題に向かいたいのです。

あなたにできるのは、まずは全員がどのような立場であれ、自分が大切にしていること、問題にしていることを、非難されることなく安心して話をできる「安全な場」を作ることです。
そのために、まずあなたは正直に、無防備に、自分が大事にしていることをみんなに表現する必要があります。
あなたの無防備さや正直さがチームに伝わったとき、全員がつながれる場をそこに作れる可能性が生まれてくるのです。

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