2019年9月1日日曜日

書くことは自分自身との対話(共感文章講座と共感手帳術)

しばらく休んでいた共感文章講座と共感手帳術講座を再開したら、思いがけず参加者がとんとんと増えて、いずれも楽しく開催させていただいている。
みなさんのお役に立てるのはうれしいし、また私自身があらためて気づいたり学びなおしたりしている面もあって、ありがたい。

これらの講座で私が伝えているのは、たとえばこんなことだ。
「書くこと」を習慣にすることは、自分の頭のなかで常に浮かんでは消え、消えては浮かんでくる無定型の、いわば「ノイズ」にちかい思考を、言語化し、自分自身でも客観的にとらえる方法を身につける、ということ。

私自身、「書くこと」の習慣を身につけていなかったら、なにかを体験したり人に会ったときなど、日々遭遇するたくさんの貴重な気づきの多くを、きっと取りこぼしてしまっていたことだろう。
もちろん、すべての気づきを取りこぼさずに収集できたとは思っていないが、いま私が多くのことを体系的にとらえたり考えたりできているのは、「書くこと」に助けられた面が多いのではないか。
現代朗読、音読療法、マインドフルネス、即興演奏、書籍やブログの執筆、非暴力コミュニケーション、手帳術……

そしていま、食道がんステージⅣという身体状況のなかで、あらためて多くの思索と気づきを得る日々を送っている。
いま、これをこうやって書いている行為そのものも、自分自身を見つめ、整理し、そしていまこの瞬間からその先へと向かっている道すじを照らしている。

手帳術でも強調していることだが、私たちの頭のなかは思考に満ちている。
その思考はけっしてまとまっていたり、道筋がはっきりしているものではない。
断片的で、ノイズのようなものであり、フラッシュのように一瞬で消えてしまうものもある。
どうでもいいようなつまらない妄想から、非常に重要な気づきまで、いっしょくたに渦巻いている。
清流の岩陰にひそんでいる川魚を手づかみするように、思考に手をさしいれ、一瞬で獲物をつかまえてこなければならない。
つまり、思考を言語化し、紙(やモニター)の上に文字化・視覚化しなければならない。
そうしたときにはじめて、自分がなにをかんがえているのか、なにを大切にしているのか、なにが必要なのか、どちらに行きたがっているのか、はっきり見えてくる。

不定形の思考を言語化し、脳の外に書きだし、明示化すること。
書くことを習慣化するというのは、そういうことだ。

書くのはなんでもいい。
まずはメモ。
ツイッターやフェイスブックでのつぶやき。
それから日記、ブログ。
小説や詩はさらにクリエイティビティを発揮することになるので、困難はあるが思考を活性化する効果が高い。

かつての参加者に請われて、身体文章塾をリニューアルした形で「ひよめき塾」が9月8日からスタートする。
これはテキスト表現という日常の延長線上にありながら最高のクリエイティビティを発揮することも不可能ではない行為にチャレンジするメンバーが集う場になるはずだ。
そこはまた最高の遊びの場でもあり、共感的なつながりを持つ安心の場でもある。
興味がある人は参加してみてほしい。

参加申し込みはこちらから。

9月27日〜:オンライン共感手帳術講座
毎日使う手帳を用いて自分がなにを大切にしているのか、なにが必要かを明確にしていき、日々を有効にいきいきとすごすための術を身につけるための短期集中講座です。