即興ピアノ演奏にみがきをかけるべく、秘密兵器を練習に導入してみた。
そもそも即興演奏の練習ってどうやるんだろう、と思われるかたがいるかもしれない(いないかもしれない)。
知っているかどうか知らないけれど(たぶん知らない)、即興演奏の最大の敵は自分の「手くせ」だ。
私の場合、即興演奏をおこないとき、可能なかぎり自分の「たくらみ」を手放すことを心がけている。
たくらまず、どのように音を紡ぐかというと、
1. からだに任せる
2. 自分が弾いた音に導かれる
からだがこのような音がほしいと教えてくれる、あるいはいま弾いたばかりの音がつぎの音を導いてくれる。
抽象的なものいいだが、実際にそんな感じ。
その際、自由に遊ぼうとしている音をさまたげる最大の敵が、長年弾きこみつちかってきてしまった自分の「手くせ」なのだ。
それを徹底てきに解体しておきたい。
即興演奏の練習というのは、それをやることだ。
手くせからは出てこないパターン練習をする。
そのときメトロノームが大変役に立つ。
メトロノームといえば、たいていの人は木製の三角錐の、重りのついた金属の棒が左右にかっちんかっちんと振れる「あれ」を思い浮かべるんじゃないだろうか。
私も子どものころからあれを持っていて、ピアノの練習に使った。
最近では電子メトロノームがたくさん出回るようになっていて、拍速やリズムの設定も簡単だ。
たいていは、ピッピッピッ、などという電子音で拍を知らせるようになっている。
スマホ用のアプリもたくさん出ている。
私があらためて入手したメトロノームは、電子式・デジタル式ではあるが、音で知らせるのではなく、振動で知らせる方式だ。
意外になかった。
またこの「Soundbrenner Pulse」はデザインもよく、腕時計のように巻いたり、太ももなど脚に装着できるようになっている。
振動がかなり強いので、裸のままポケットに入れておいても使える。
パワーのオンオフや拍速の設定は指とダイヤルでできるようになっているのだが、スマホとブルートゥースで連動させればより細かい設定ができる。
また、これは私はまだ使ったことがないのだが、バンドで全身がこれを持ち、おなじリズムをシンクロさせて練習することもできる。
練習だけでなく本番でも使えるかもしれない(リズムに問題があるバンドの場合)。
このメトロノームを腕に装着して、一定のリズムや、3拍子や5拍子、場合によっては7拍子などという変拍子でパターン練習するのは、とてもよい訓練になる。
手癖や生理的ゆらぎがあぶり出されてくる。