って、毎月帰ってるんですが。
でも、12月は帰りません。
このところ、毎年、このパターンです。
12月・師走のあわただしく、移動費も高くつく時期には帰省せず、1月1日の午前中――つまり元旦に移動。
交通機関もすいているし、安い。
話をもどしますが、今回の帰省も羽田から小松まで飛行機での移動でした。
満席。
私の記憶では、この夏以降、小松便はいつも満席です。
理由はわかりません。
今回も秋の観光シーズンは終わっているはずですしね。
黒服のビジネスマンが多いのはいつものことですが。
私の隣の席にすわったのは、私と同年輩の外国人の女性。
まわりにも外国の方が何人かいて、話をしているのを解読すると、どうやら金沢や富山でいくつかのバンドが出演するコンサートがあって、それに出るバンドのメンバーらしい。
バンドはアイリッシュバンドみたいでした。
バンド名まではわかりませんでした。
富士山がきれいに見えたので、彼女が窓際にすわっている私に、
「マウント・フジ?」
と問いかけ、私が、
「イエス。マウント・フジ」
と答えるという、ちょっと間抜けな会話が一度だけありました。
実家では雪囲いの準備に追われました。
雪囲いって知ってますか?
一般的には兼六園などの庭の松の木の枝が、積もった雪の重みで折れないように荒縄で吊っているイメージがあると思うんですが、あれは雪囲いではなく「雪吊り」。
雪囲いというのは、文字どおり、雪で傷まないように家を板などで囲うんです。
最近は板だけでなく塩化ビニールの波板スレートなども使いますが。
大雪が降ると――たいてい降るといつも大雪になるんですが――屋根雪をおろします。
おろした雪はどうなるかというと、道をふさぎます。
そのままにしておくと人も車も通れないので、おろした雪を融雪溝という側溝に流します。
融雪溝にはすごい勢いで水が流れていて、雪をどんどん川の主流のほうへと押しながしてくれます。
かつては融雪溝はむき出しの用水路だったんですが、いまでは暗渠になってます。
ところどころ、鉄柵のような蓋があって、そこを開けて雪を流します。
うっかり開いている蓋に落ちこんだりすると、流されて二度と浮かびません。
そんな勢いで水が流れている融雪溝ですが、みんなが一斉にやると雪が詰まって流れなくなります。
ふたたび流れるようになるのを待って、作業を続けます。
ときに夜中までかかることがあります。
それとは別に、道路側ではなく、自分の家の敷地内――玄関先とか裏庭とか――におとした雪は、緊急性はないものの、ほうっておくと縁側のガラスを割ったりします。
すぐにそうならないように、縁側とか玄関先とか、雪がたまりやすい窓の外とかに、板を張りめぐらせておくのです。
これが雪囲いです。
大変でしょ?
大変なんだけど、
「なんでそんな土地にわざわざ住むの?」
という想像力の欠如した質問が、もっとも私を逆上させます。
よくおぼえておいてください。
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