舞台は首都オスロのバレエスクール。
そこに通うルーカス、トルゲール、シーベルトという3人の少年を4年間にわたって追ったドキュメンタリー映画です。
ドキュメンタリーとはいいながら、映像や構成は非常にしっかりしていて、フィクション映画と遜色のない感じがします。
しかしやはりドキュメンタリーなので、現実の記録なのです。
とくに思春期の少年3人の成長、挑戦、選択、日常という記録であり、これは実際に起きたことの記録なのです。
と思いながら見ると、ちょっと胸が痛くなるような感じもする瞬間もありますが、彼らのいきいきした日常が活写されていて、見応えあります。
タイトル通り、男子ではありながらバレエが大好きで、いたずらやおふざけも大好きな少年たちの成長の映画です。
みんながプロのバレエダンサーをめざし、しかしときにはいったん諦めたり、ふたたびもどってきたり、なかのひとりはバレエコンクールのファイナリストになって才能を見出され、ロンドンのロイヤルバレエ団からスカウトされたりします。
3人とも日本でいえば高校進学にあたる時期に、国立のバレエ学校への進学をめざし、そして合格します。
しかし、ひとりだけイギリスに旅立つことを決め、ずっと一緒の仲間だった3人のあいだに微妙な距離が生まれたりします。
そういったストーリーも、このドキュメンタリー映画に深さを与えています。
実際のダンスシーンもなかなか見応えがあります。
カメラがいいのです。
おそらくバレエを熟知したカメラマンでしょう、その視線はダンサーやバレエのシーンを的確にとらえています。
ドキュメンタリーなので一回きりのチャンスをとらえた場面ばかりだと思いますが、どれも鋭い視線で切りとっています。
ところどころ挿入されるインサート映像もすばらしいのです。
挿入されるなにげない風景が、ストーリーと時空表現を支えます。
編集もすばらしいです。
これだけの内容のものを、75分という長さ(短さ)に凝縮しています。
とても密度の濃い、楽しめる、複雑さも含んだ、すぐれた映画だと感じました。
観て損はないと思います。
◎水城ゆうの音楽レッスン
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