監督はマーク・フォースター、主演はブラッド・ピット。
日本の映画雑誌『映画秘宝』が発表した2013年度のワーストランキングでは1位となり、「最もガッカリした映画」の栄冠に輝いています。
まあしかし、そこまでいうほどのひどさではないと思います。
映画「バイオハザード」以来、これでもかと作られたいわゆるゾンビもののひとつです。
マーク・フォースター監督は「ネバーランド」や「007 慰めの報酬」などを手がけていて、大作監督だし、ブラピが起用され、公開前の宣伝もかなり大々的におこなわれるなど、鳴り物入りで発表された作品ですが、ほかのゾンビものとくらべてなにか画期的なアイディアがあったり、映像的な工夫があるわけではありません。
たんなるゾンビものです。
たとえ主演がブラピであっても。
ブラピは国連職員役で、家族とともに逃げている最中、感染原因を突きとめる仕事を、家族の安全と引き換えに引き受けます。
ゾンビに襲われたり、飛行機が墜落して重傷を負ったりしながら、感染原因をさぐっていくんですが、最後はみずからの身体を使ってゾンビに対抗する方法を見つけだします。
事前宣伝映像にも流れましたが、大量のゾンビが蟻のように巨大な壁をよじのぼっていくカットなど、CGを駆使した映像はたしかにスリリングですが、とくに目新しいものではありません。
CGを使えばどんな映像でも可能ですから、そこに驚きはありません。
ゾンビが襲ってくる、という設定や映像、アクションも、いささかあきあきしています。
まあしかし、ストーリーはまずまずしっかりしていて、とくに最後の解決策にいたる道すじとか、伏線とか、救いがある点は、エンタテインメントとして「もっともがっかりした」とまでいうほどのものではないと思います。
その評価をした人は、なにかに期待しすぎたんじゃないでしょうか。
音楽はマルコ・ベルトラミが担当していて、この作曲家はゾンビとかエイリアンとか、スプラッタホラー系映画音楽を大量に作っている人です。
「バイオハザード」とかね。
なにひとつ、音楽が耳に残らなかったのも、ある意味、すごいですね。
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