2011年8月18日木曜日

「作家になりたい人」と「作家になれる人」の違い

「文章を書きたい」「文章で自分を人に伝えたい/自分を表現したい」という人にはどういうニーズがあるのでしょうか。
私が聞いた限りではじつにさまざまなニーズがありますが、なかでも一番多いのが、
「将来作家になってそれで生計を立てられるようになりたい」
というものです。
この時点で、残念ながら、作家としては「アウト」です。なぜなら、作家というのは、あるいは作家になりたい人というのは、将来のことを考えてものを書いたりはしないからです。自分の将来を考えながらものを書いているような人は、まず作家にはなれません。
作家である人、もしくは、作家になりうる人は、自分の将来を考えてものを書くのではなく、ただ現在、たったいま、この瞬間にものを書かざるをえないから書いているにすぎません。いまの私がそうであるように。そういうやむにやまれぬ内的衝動をかかえている人しか、結果的には作家にはなれないのです。

そういう人は朝、目がさめた瞬間から、もうなにか書くことを考えています。起きてすぐノートに向かって、あるいはパソコンに向かって、ものを書きはじめます。そのことが「生計を立てる」ことにつながるかどうかなんて考えもしません。
結果的にそれで生計を立てられるようになる人もいれば、すばらしい小説を書きながら一生、一冊の本も出すことなく去っていく人もいます。それでもその人は作家なのです。宮澤賢治がそうであったように。

(以下、略。本文全体は養成塾のメールマガジンで掲載しています)

※オンライン版「次世代作家養成塾」の詳細については、こちらをご覧ください。