2016年6月11日土曜日

映画:特捜部Q 檻の中の女

2013年公開のデンマーク映画。

デンマーク?
デンマーク!
デンマーク映画って、とくに記憶がないけれど、この映画はなかなかのクオリティですよ。

あ、「バベットの晩餐会」はデンマーク映画か。
ほかにも「奇跡の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」「ドッグヴィル」もそうなのか、ふむふむ。

主人公は叩き上げだけどかなりのやり手の刑事。
しかし、やり手が行きすぎてミスを犯し、部下をひとり亡くし、もうひとりも全身麻痺の寝たきり状態に。
そのために自身も未解決事件の書類整理をするだけの閑職に追いやられてしまいます。
その部署が、無理やり作られた特捜部Q。

そこへやってくるアラブ系のあたらしい相棒がいい味を出してますが、主人公も「人相の悪いことここに極まれり」といった、終始しかめっつらの悪人づらの男で、これもなかなかの性格俳優です。

映画全編を覆う陰鬱な空気は北欧映画ならではなのでしょうか。
書類整理だけしていればよかったのに、彼らはある事件に目をつけます。
それはひとりの女性が行方不明になって結局見つからず、捜査も打ち切られて迷宮入りした事件です。
主人公たちは女性がまだ生きているのではないかと気づき、勝手に捜査をはじめてしまいます。

わずかな手がかりを追いながら探っていくうちに、すこしずつ事件の真相に迫っていくんですが、なにしろ勝手操作なので違法ぎりぎりのことをやったり、隣国の警官をだましたりして、そのことが上司に伝わります。
何度か捜査中止命令を受けるのですが、無視。
最後には警察手帳を取りあげられ、停職となってしまいます。
しかし、捜査をやめないのです。

このしつこさ、性格の悪さが、主人公の魅力だといえるでしょう。
まったく現代的でない、古臭いタイプの刑事なんですが、そこに魅力を感じるのは彼に正義を感じるからでしょうか。

映画の原作はユッシ・エーズラ・オールスンという作家の小説ですが、オールスンは特捜部Qをシリーズ化して書きつづけているようです。
また映画も続編「特捜部Q キジ殺し」が公開されたようです。
まだ観てませんが、観てみたいかも。

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