2016年6月13日月曜日

ずっとやりつづけていること、これから向かうところ

いまから十年以上も前のことになりますが、豪徳寺の酒屋の地下室に活動拠点があったことがあります。
かなり広い地下室で、5×10メートルのスペースに流しとトイレ、シャワールームがついていました。
地下室なので、締め切ると完全に真っ暗になり、そして音も外からほとんどはいってきません。
理想的な密閉環境でした。

ここで音楽や朗読のコンテンツ製作をやっていたんですが、ほかにもしばしばライブをやりました。
けっこう広いので、30~40人くらいのお客さんを入れることもできたのです。
まあそんなに集客できることはめったになかったんですが。

この密閉環境を利用したライブのひとつに「ディープ・リスニング」という音楽ライブのシリーズをちょくちょくやっていました。
完全暗転のなかでピアノ演奏をして、聴いてもらうというより、どちらかというと体験してもらうといったほうがいいでしょう。
そのときの経験や知見が、その後も「沈黙の朗読」や「音楽瞑想」「音響体験によるマインドフルネスのワークショップ」などに生かされています。

気がついたら、ずっと音、ことば、暗闇、沈黙、即興、マインドフルネス、瞑想などをキーワードにやりつづけています。
自分のなかではそれらがかなり成熟し、自分自身の役に立っている実感があります。
これをみなさんの役にも立ててもらいたいという思いもあります。

現代生活において交感神経ばかりが優位になっているマインドレスな時間をすごすことが多い人々がいて、いつも不安やあせり、いらいら、怒りといったものを抱えています。
そういう人に必要なのは、マインドフルであること、自分自身の存在に気付きつづけていること、深い呼吸、開かれた感受性、おもいやりベースのコミュニケーションといったことです。
私がおこなっているパフォーマンスやワークはそれらに貢献できると信じていますし、またこれまでの実感や実績もあるのです。

今月中におこなわれる三つのライブ公演・ワークショップのどれかに、あるいはどれもに、おいでください。
きっと新鮮な体験と気づきがあると思います。
もちろん何度もおいでいただいている方はありがたく、あらためて歓迎させていただきます。

「沈黙[朗読X音楽]瞑想」公演@明大前キッドギャラリー(6.18)
ともに深く、ことば、静寂、音、そして空間とご自分の存在そのものをあじわうこと。ご来場いただいたみなさんにある種の「体験」を提供する試みです。14時からと18時からの2回公演。

音楽瞑想ワークショップ@世田谷新代田(6.25)
ピアニスト・小説家の水城ゆうが長年かけて「音楽瞑想」として結実させたワーク。深く自分自身の身体とこころにつながる体験を、よりわかりやすく楽しめる形で提供します。6月25日(土)午後、会場は新代田駅近く。

ののみずライブ「蟷螂の孵化する」@下北沢レディ・ジェーン(6.26)
6月26日(日)午後7時半スタート、下北沢のライブバー〈レディ・ジェーン〉で現代朗読の野々宮卯妙と即興ピアノ小説家の水城ゆうによるライブです。朗読テキストは水城の書きおろし新作の予定。