明日から代々木公園での平和イベント〈Spring Love〉に現代朗読協会として出展するので、というわけでもないのだが、たまたま読んでいる。
サブタイトルに「「激安・便利・快適」の大きすぎる代償」とある。著者のサブタイトル、じゃなくて肩書きは「サステナビリティ・プランナー」。いろんな肩書きがあるもんだなあ。いや、いろんな肩書きを作るもんだなあ。
内容はとくに驚くようなものはないのだが、データが割合豊富で、漠然と感じていたことを数字で裏付けしてくれる側面が多くて、たとえば、
「マックで激安バーガーを食べることによっていかに地球環境と飢餓人口に影響を及ぼしているか」
を説明することの根拠として示すことができる、という利点がある。
私が知らなかった興味深いデータもいくつかある。たとえば、ひとりの人間が一日に使うエネルギーはどのくらいか。
普通、大人の男性ならだいたい2,500キロカロリーくらいじゃないの、と考えてしまう。それは体内で消費される必要なエネルギー量であって、それ以外にも人間はたくさんエネルギーを使う。たとえば調理をするのにもエネルギーを使うし、冷蔵庫やテレビを使うし、移動するにもエネルギーを使っている。それらを合計すると、先進国の人間ひとりが一日に使うエネルギーは約25万キロカロリー、つまり生体エネルギーの100倍ものエネルギーを消費して生きているということになるらしい。
ちなみにこの消費量は、体重が100トンあった恐竜一匹が消費していたエネルギーとほぼおなじである。
我々文明人は、消費エネルギーについていえば、体重100トンの恐竜がのしのし歩いているイメージなのである。
うへ。
本の終わりには、じゃどうすればいいべ、ということが手短に書かれていて、まあよい。
『2025年 あなたの欲望が地球を滅ぼす』足立直樹/ワニブックス