2018年5月22日、火曜日。
いまや地元となった国立の市公民館地下ホールで、朗読とピアノのコンサートを開催した。
朗読は野々宮卯妙。
世田谷羽根木から拠点を国立に移して、なかなかここがホームベースだという表現の場を定められずにいる。
羽根木にいたときは、いまはなき明大前〈キッド・アイラック・アート・ホール〉や下北沢〈レディ・ジェーン〉など、いくつかの場があって、いつでもそこでとんがった試みを受け入れてもらえるという安心感があった。
その安心感に支えられて、現代朗読を中心としたさまざまなパフォーマンスの試みを続け、発展させてこれたのだと思う。
国立ではそういう場がなかなか持てずにいた。
かなり古い施設だが、市の公民館がだれでも使えるようになっていると知って、一度こちらでなにかやってみようと思った。
施設使用料は、なんとタダ!
ただし、料金を徴収するイベントは不可。
つまり、無料イベントでなければならない。
そこで、無料コンサートとなった。
会場はだいぶ前から決まっていたのに、なにやかやと忙しく、告知が行き届かなかった。
ほんとは地元の人たちに広く告知して、私たちがおこなっている表現活動について知ってもらい、また興味を持ってくれた人には参加してもらいたいと思っていた。
その衆知があまりできなかったのはちょっと残念だった。
当日まで来てくれる人はあまりいないだろうと思っていて、実際に事前に「行くよ」といってくれた人は数人だった。
が、あけてみると、思いがけない人や友人たちや仲間、しばらくぶりの人たちが来てくれて、ありがたくうれしかった。
午後7時に開場して、7時半に開演。
会場入りが6時半すぎだったので、ピアノはほとんど弾きこむことができなかったが、古いけれど割合状態のよいグランドピアノだった。
地下に置いてあるピアノは湿気で状態を悪化させることが多いのだが。
私のピアノ(即興)からスタートして、野々宮のソロ朗読。
夏目漱石の『夢十夜』より「第一夜」を朗読だけで聴いていただく。
つづいて「第十夜」。
これはみなさんにも参加してもらって、楽しく盛り上がった。
笑いも起こって、やっているこちらも楽しかった。
後半は童謡の「しゃぼん玉」をモチーフにした私の即興演奏から、野々宮との共演で私のテキスト「待つ」を朗読パフォーマンスで聴いていただいた。
記録映像も撮っていて、それを見ればわかるのだが、身体表現としておこなっている野々宮の朗読は、求心力があってすばらしかった。
私もそれに助けられてとても集中した演奏ができたように思う。
おいでいただいた皆さんにはとても感謝している。
機会があれば、またこの場での公演をやってみたい。
つぎはどのような形になるのかわからないが、お近くの方にもおいでいただけるように事前準備をしっかりしたい。
できれば、ゆくゆくは、現代朗読のゼミ生たちといっしょに群読表現も発表できればいいな。
◎5月26日:現代朗読ゼミ
朗読や群読などの身体表現を用いていまこの瞬間の自分自身をのびやかに表現するための研究の場・現代朗読ゼミ、5月の開催は26(土)10時半から約2時間。