主演はコリン・オドナヒューという知らない俳優ですが、彼に対峙する重要な役柄でアンソニー・ホプキンスが出ています。
これがかっちょええ!
監督はミカエル・ハフストロームというスウェーデン出身の人らしいですが、私は知りません。
主人公のマイケルは葬儀屋の息子で、神学生です。
冒頭は損傷した亡骸に死化粧をほどこすシーンで、ちょっとショッキングですが、この映画が注意深く作られていることもわかります。
おそらくわざとですが、荒く処理された画面も、映画全体の空気感を作っています。
マイケルは神学生でありながら、みずからの信仰を疑いながら、最終学年で神父になることを辞退することを決意します。
そんなとき、自分と恩師がからむ交通事故で、目の前で女性が臨終を迎えます。
瀕死の女性にこわれて、彼は祈りを捧げるのです。
その態度は立派で、恩師にほめられます。
マイケルは成績優秀で、恩師から推薦されて悪魔払いの講習を受けるためにバチカンへ派遣されます。
しかし彼は、悪魔はおろか、神の存在にすら懐疑を抱いているのです。
当然、悪魔払いの儀式もなにかトリックがあるのではないかと疑っています。
彼の前に、熟練の悪魔払い神父があらわれます。
それがアンソニー・ホプキンスで、謎を含んだ人物像を巧妙に演じているところはなかなかの見ものです。
そしてマイケルの前で不思議なことがつぎつぎと展開していきます。
悪魔払いといえばもちろん「エクソシスト」が超有名ですが、私は大好きなんですよね。
映画自体もすぐれてますが、映画音楽を担当したマイク・オールドフィールド(だっけな)の音楽もすばらしく印象的です。
その手の映画は音、音楽が非常に重要だと私は思いますが、この映画はアレックス・ヘッフェスという、私の知らない人ですね。
全体をとおして悪くないけど、あんまり印象に残らない。
ちなみに、この映画は特定の人物と事件をもとに作られているそうです。
緊迫感のあるよい映画だと思います。
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