「For Once In My Life」と「As Time Goes By」
「オーシャンズ11」のシリーズを3本つづけて観て、さすがにぐったりしたので、かるい気持ちで音楽映画でも、と思って目についたのを観はじめたのです。
なぜこれを選んだのかというと、タイトルも評判も一度も聞いたことがなかったのと、それなのにキーラ・ナイトレイという女優が主演だということで、興味をひかれたからです。
キーラ・ナイトレイといえば「スター・ウォーズ」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」などにも出演している超メジャー女優です。
また「アンナ・カレーニナ」の演技はなかなかでしたし、個人的には「シルク」や「イミテーション・ゲーム」での存在感がとても印象に残っています。
そんな彼女の主演の音楽映画が、これまでまったくアンテナに引っかからなかったとは(もちろん知っている人は知っているんでしょうが)。
この「はじまりのうた」は2013年公開のアメリカ映画です。
監督はジョン・カーニーという人で、まったく知りません。
アイルランドのダブリン出身で、アイリッシュ・ロック・バンドでベースを弾いていたそうです。
その後、短編映画、長編映画と進出し、『ONCE ダブリンの街角で』では大きな話題を呼び、2007年のインディペンデント・スピリット賞の外国映画賞を受賞しています。
観てみたいな。
キーラ・ナイトレイは才能あるシンガー・ソング・ライターですが、一緒に活動していたボーイフレンドのほうが先にメジャーデビューしてしまいます。
そして彼が浮気して、失意のもとに元バンド仲間の安アパートにころがりこみます。
元バンド仲間はいまだに夢を追っていて、だれも聴いてくれないのにストリートで歌ったり、小さなライブハウスでライブをやったりしているんですが、彼女を元気づけようと自分のライブに誘い、さらにステージで一曲歌うことをリクエストします。
なにしろニューヨークですからね。
しかし彼女はあまりやる気がなく(男にふられたばかりだし)、お客の反応もいまいちだったんですが、そのなかに音楽プロデューサーがひとり、彼女の歌を聴いていたのです。
プロデューサーもいまや落ち目で、失意のまっただなかいたんですが、彼女の歌を聴いてなにかが動きはじめます。
この映画の白眉は、なんといってもニューヨークの裏町のあちこちでライブレコーディングされるデモ音源の収録シーン。
これがじつに楽しいのです。
音楽ってこれだよね、って感じ。
そして無事にデモ音源が完成し、レコード会社から契約を持ちかけられるんですが、しかし彼女は……
というラストもなかなかひねりのきいたものになっています。
不覚にも私はエンディングで涙してしまいました。
いい映画です。
未見の方はぜひとも観てみてください。
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