主演がリーアム・ニーソン。
助演がジュリアン・ムーア。
ベテランで固めましたね。
映画は一部始終、飛行機内でくりひろげられるサスペンスストーリーなんですが、なにしろ場面は飛行機のなかだけ。
役者の演技がしっかりしていないと残念な結果に。
その点、この映画はうまくいっているようです。
キャラクター設定にも陰があって複雑になっています。
設定がストーリーに大きく関わってもいます。
なかなかよくできた話です。
リーアム・ニーソン演じるところのビルは航空保安官。
アル中ぎみで、最愛の娘を事故でなくした過去を持っています。
ある便に乗って、順調に飛行をはじめてしばらくたったとき、ビルの携帯電話に差出人不明のメッセージがはいります。
1億5千万ドルを指定の口座に振り込め、というもので、指示にしたがわなければ20分おきに乗客のだれかを殺していく、という脅迫文です。
そうやってサスペンスがスタートします。
実際に人が死ぬ。
いったいだれがメールを打っているのか。
メールを打っている者を特定しようと、CAにも協力を求めながら策をこうじますが、らちがあきません。
事態はどんどん悪化し、こんぐらかってきます。
後半ではビル自身が乗っ取り犯人だと誤解され、戦闘機が飛行機を撃ち落としにやってきます。
もうこれ以上はないという最悪の事態におちいっていくわけです。
欧米のサスペンスストーリーはこのあたりがうまいものが多くて、手に汗にぎる事態がつぎつぎと起こるばかりか、主人公はこれ以上ないという窮地に追いこまれていって、観客はこの事態をいったいどうやって打開するのかと最後まで釣られて観てしまう、というわけです。
この映画もそういったもののひとつでしょう。
最後はアメリカ映画らしい大アクションシーンと、「これありえないよね」というご都合主義的解決にいたるわけですが、まあそこはそれ、エンディング以外はそこそこ楽しめるので「よし」としましょう。
ところで、客室乗務員を演じたミシェル・ドーカリーという女優もなかなかよかったんですが、資料を見たらジャズシンガーでもあるということですが、エミー賞やゴールデングローブ賞の受賞歴もあるなかなかの実力派のようですね。
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