2019年2月3日日曜日

映画:バード・ボックス

2018年公開のNETFLIXオリジナル映画。
監督はデンマーク出身の女性スサンネ・ビア。
主演はサンドラ・ブロック。

サンドラ・ブロックのいちばん新しいところでは、私は「ゼロ・グラビティ」が印象に残っているが、もっとも存在感を植えつけられたのは「スピード」だろうか。
あまり演技のうまい女優という印象はなかった。

「バード・ボックス」はのっけから非常に厳しい展開の映画で、万人におすすめできるものではない。
多くのサスペンスやホラーを観てきた私ですら、かなり厳しいと感じた。

とにかく人がどんどん死ぬ。
人が死んでいくなかで、主人公は生きのびるために必死になっている。
その必死さが切ない。
なぜなら、主人公は臨月の妊婦だからだ。

なぜ死ぬのか、なぜ眼をあけてはならないのか。
なにかを見てしまうと死ぬという設定であることがわかってくるが、その理由は最後まで明かされない。
人類が死滅するほどの危機におちいる、その原因が、宇宙人の侵略なのか、あるいは未知の病原体なのか、それとも別の理由なのか、明らかにはならない。

事件の発端の5年前と、その5年後の現在が、交互に語られる。
どちらも生きのびるために厳しい状況だ。
そんななか、主人公ともうひとりの女性がほぼ同時に出産する。
そして主人公はふたりの子どもを抱えて生きのびていかなければならなくなる。

主人公の生きる目的は、ただひとつ。
この子たちを生きのびさせること。
そのための手段は問わない。

絶望的な世界の状況のなか、最後はハッピーエンドといえなくはないが、まったくのすっきりした結末ではない。
世界は相変わらず絶望的なままだ。
しかし、エンディングには救いがある。

子役がすばらしい。
かわいい。
そして主人公が決死のなかようやくたどりつく状況は、予想しなかったものだし、メッセージ性も強い。
まあ、ラスト20分のために観る価値はある、かもしれない、といえる、かもしれない(もごもご)。