2019年2月7日木曜日

私の音楽歴——いかにして即興ピアニストになったか(34)

即興ピアノを弾くようになったいきさつをちょっと説明するつもりが、思いがけず大長編になってしまったが、この話もようやく終わりに近づいた。

NPO法人現代朗読協会を立ち上げ、学校や介護施設などでも公演やワークショップを積極的に展開する一方で、自分の表現活動もコツコツと続けていた。

ネットでは音声コンテンツのダウンロード販売が普及すると同時に、電子出版も少しづつ環境が整っていった。
電子書籍を販売できるサービスがたくさんできたが、私にとってもっとも大きかったのはBCCSとKindleだった。
BCCSはブラウザベースで電子書籍の編集ができて、そのまま紙本の印刷注文もできるし、epub方式の電子書籍データを取得して他の電子書籍販売サイトに持っていくことができる。

最初はBCCKSでデータを作り、それをアマゾンその他の販売サイトに登録する手順でやっていたのだが、いまはKindle一本に販売サイトを絞りこんだため、書籍編集はアドビのInDesignに以降している。
InDesignで書籍を作り、epubデータをアマゾンKindleに持っていく。
また、おなじデータをPDFに出力し、製本直送というオンデマンドの紙本印刷で紙の書籍にする。

これらの作業が全部ひとりでできることが、私にとっては重要なことだった。
とくに近年は個人製作者が使える決済手段がいろいろと出てきている。
製作、配信、販売、決済、これらすべてを、大きな企業や出版社を通すことなく、つまり過大な手数料を取られることなく、個人的に利用できる。
個人製作者にとって、また表現作品をコンテンツとして発表したい者にとって、非常にありがたいことだ。

さらにここ数年はYouTubeという動画配信コンテンツを利用する者も増えてきている。
視聴者が十分に多ければ、YouTubeからのペイバックを受け取ることもできるし、実際に莫大な収益を稼ぎ出しているユーチューバーも数多く出てきている。
すべて個人事業者、個人表現者だ。

お笑いコンテンツばかりでなく、利用価値の高いハウツーや教育コンテンツ、ダンスや音楽などのアートコンテンツもたくさん出てきている。
作りこまれた作品もあるが、基本的に日常的に、即興的に生みだされていく、パーソナルな表現コンテンツが強いし、また視聴者の要求もそちら側になってきている。
すばらしく美しく作りこまれた完璧なコンテンツより、もっと個人的で表現者の息使いが感じられるライブに近いものが求められているのだ。
これは一種のコミュニケーションに近いのかもしれない。
そういう時代に来ていて、まだそこに自分が現役でいられるということに、おもしろさを感じている。

そういう世界で非常に強力なバックグラウンドとして私を支えてくれているのが、非暴力コミュニケーション(NVC)の考え方である。