2017年4月9日日曜日

自分なんかいないほうがいい、といってる人がいる

なにかチームでものごとをやっているとき、なにごとかがうまくいかなくなったとき、ある人の行動が原因であることがあります。
ひとりが別の人を攻撃したり、ものごとの進め方に文句をいったりして、チーム全体のつながりが失われてしまって、進行が止まってしまったりします。
そんなとき、原因となった人の言動を控えさせたり、変えようとすることがあります。

するとその人は、
「自分なんかいないほうがいいんだね。必要ないんだ。いないほうがうまくいくんだ」
と、逆上したり、落ちこんだりして、不本意にもチームから去ってしまうこともあります。
どうすればいいでしょう。
どんなふうにすれば、つながりをもってチームをクリエイティブな状態に保っていることができるでしょう。

まず、自分たちのニーズを確認し、そのことにしっかりつながっている必要があります。
自分たちはチームがおたがいに思いやりをもって尊重しあい、攻撃したり、文句をいいあったりすることなく、安心しながら、いきいきと前進していき、目的を実現するニーズがあるんだ、ということを確認し、いつもそのことを身体にいれておく必要があります。
そのニーズを満たし、目的を達成するためには、さまざまな手段をあきらめずに行使するわけです。

自分たちのニーズを満たすためには、問題となっている人のことも尊重し、共感的につながる必要があります。
しかし、その人の言動を控えさせたり、変えようとするのは、その人を攻撃することとなにも変わりません。
その人にとっては、自分が受け入れられない、言動を変えようとされている、否定されている、と感じてしまうでしょう。
だから、自分なんかいないほうがいい、と悲痛な反応をしてしまうのです。

その悲痛な反応は、共感的に翻訳すれば、まさに、
「私を助けて」
といっているのです。
そのように翻訳して聞けるかどうかが大切です。

その人が「こちらにとって問題」と見える行動をとっているのは、なんのニーズがあるからでしょうか。
その人にとってもなにか切実なニーズがあってそういうことをしているはずです。
そのことをこちらが真剣に、ただありのままに聞くことができるかどうか。
それがお互いにつながれるかどうかを左右します。

その人のニーズを聞き、またこちらのニーズを相手に伝え、その上でおたがいのニーズを満たすためにはどんなことができるのか一緒にかんがえてみる。
ならんで、同じ方向を見ながらかんがえてみる。
そのとき、全員がチームとしてつながりあい、パワーを持つのです。
そうなったとき、どんな困難な問題が立ちふさがったと感じて絶望した瞬間があったとしても、きっとまたクリエイティブに前に向かって進んでいくことができるでしょう。