NVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)に基づいた共感的コミュニケーションでは、共感とは、
「相手のニーズを知り、それを尊重すること。お互いがニーズレベルでつながり、異なった価値観であってもお互いに尊重しあうこと」
というような理解です。
ニーズというのは、それぞれの人の価値観、大事にしていること、必要性、といったようなことです。
人の言動やあらわれる感情は、そのもとにすべてニーズがあります。
つまり、生命活動そのものといいかえてもいいかもしれません。
だれかに共感するとき、まずは自分自身に共感している必要があります。
つまり、自分のニーズを把握している必要がある、ということです。
頭で理解しているのではなく、「体感」している状態が理想です。
「私のニーズは○○である」
とかんがえていたり、言語化できているということより、
「こっち」
みたいな、「意」が自然に生まれている状態といっていいでしょう。
そのとき、私たちは身体がいきいきしていたり、あるいは落ちついていたり、まわりのことにも注意が向いていたりします。
自分につながっている状態、ともいいます。
このときはじめて、だれかにも共感できる余地が生まれます。
相手にもつながりたい、相手のニーズを知りたい、というこちらのニーズが生まれ、そこにつながったとき初めて、相手にも共感を向けることができます。
自分につながらないまま相手につながろうとしてもうまくいきません。
だれかに共感する、というのは、
「その人が自分自身のニーズにつながるお手伝いをする」
ということです。
相手のニーズを推測し、それを問いかけることによって、相手は自分自身に目を向け、自分のニーズを探り、それにつながります。
それをサポートするわけです。
それを共感といいます。
自分につながり、相手が自分につながるお手伝いをする。
お互いにニーズにつながった状態になったとき、初めて、お互いを尊重したり、対話がはじまったり、なにか生産的な手段に向かったりできるようになります。
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