監督はクリスチャン・アルヴァートという人らしいけれど、まったく名前を聞いたことがありません。
ドイツの新進気鋭の監督だということですが。
そのかわりに、といってはなんですが、プロデュースにベテランのポール・アンダーソンが加わっています。
こちらは超有名映画人で、ちょっとあげてみただけでも「イベント・ホライゾン」「バイオハザード」「エイリアンVSプレデター」「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」など、そうそうたるタイトルがならびます。
舞台は西暦2174年の恒星間輸送船らしき巨大宇宙船の船内。
この設定だけで私はけっこうしびれます。
エイリアン的な設定ですね。
どのくらいの時間なのかわからないけれど、主人公がコールドスリープから目がさめたところから話がはじまります。
もうひとりのクルー(上司)と船内の探索をはじめるんですが、エネルギーシステムが不安定で、いろいろと不具合が生じています。
そして、船内にはなにやらえたいの知れない存在が……
密室宇宙エイリアンものの王道のような作りですが、そこここにオリジナリティのつよいアイディアと味つけがしてあって、なかなか見応えがあります。
そして物語は思いがけず大きな話へと展開していきます。
長い宇宙旅行のあいだに、この巨大輸送船になにがあったのか、そもそもこの輸送船の目的はなんなのか、そして人類の行く末は……?
ハードSF的な味つけ、ホラーSFの味つけ、心理SFの味つけ、そしてオリジナリティのあるビジュアルエフェクトや美術、個性の強いキャラクターなど、この手の映画の醍醐味があますところなく詰めこまれています。
それらが意外なことに消化不良を起こすことなく、バランスもいい感じです。
ラストも意外な結末が用意されています。
ひさしぶりの骨のあるSF映画を堪能しました。
私の個人的SF映画ベスト20くらいにはいれてもいいかもしれません。