2017年4月30日日曜日

ネットとマインドフルネス

パソコンに向かっていたり、スマートホンやタブレット端末を操作していたり、そんなとき、私たちはついつい自分の身体とのつながりを忘れてしまいます。
しかし、それはなにも、パソコンやスマホの操作をしているときだけではありません。
現代人はなにごとをしていても、たとえばただたんに電車を待っているだけでも、あるいは家事を片付けていても、歩いていても、なにをしていても、自分の存在自体を忘れがちなのです。

とにかく意識が思考に向かい、自分の存在は頭か、せいぜい肩のあたりまでしかありません。

マインドフルネスということばが知られるようになり、さまざまなワークがおこなわれるようになってきました。
自分の身体への意識を取りもどすもっとも簡単な方法は呼吸だといわれ、実際にそうだと私も実感していますが、その質が問題です。

たしかに呼吸に注目すれば、身体がすこし見えてきます。
しかし、それもせいぜい胸や腹のあたりまでだったりするし、認知もどの程度のものなのかその深さが問われます。

とにかく、深く自分の身体、存在とつながり、頭も身体もこころも一致し、統合していきいきした状態でありたいわけですが――これを私は「活体」と呼んでいます――、パソコンやスマホの操作をしているときにかぎらず、日常生活のなかでいつもそのようにあることが理想です。

「デジタルデトックス」などということばがあります。
ネットとの接続を切り、デジタル機器を使わない時間を確保しようという意味ですが、まるでネットやデジタル機器が「悪」のようにとらえられていると感じることがあります。
たしかに、ネットやデジタル機器を使っているとき、私たちは本来のいきいきした「生身」の自分自身を見失いがちな傾向にあることはたしかです。
しかし、それはネットやデジタル機器に接しているときに限らないのです。
現代社会における生活のなかでは、つねにそれが起こっています。

ネットにつながっているときでも、マインドフルネスの意識を持つことはできます。
それは、電車を待っているときでもマインドフルネスの練習ができるのとおなじことです。
パソコンやスマホの操作をしているときでも、マインドフルネスの練習はできます。
ようは、どのようなタイミングで自分自身の身体と存在を思いだし、身体につながって活体になり、それをホールドできるか、ということです。
これにはかなりの練習がいります。

練習方法はたくさんありますが、私もいくつか、実用的な方法を提供しています。
興味があればいっしょに練習しましょう。

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