2017年4月15日土曜日

年老いた親の愚痴を聞く

年老いた両親、あるいは母または父といっしょに住んでいたり、同居していなくてもたまに帰省して話を聞いたりしたとき、愚痴を聞かされてうんざりしてしまう、という人がたくさんいます。
私の共感カフェや親密な関係の勉強会でも、しばしばそのような問題が出てきます。
心あたりのある人が多いんじゃないでしょうか。

物忘れがひどい。
体力が衰えて、身体がしんどい。
持病がつらい。
夜眠れない。
親しい友だちが亡くなって落ちこんでいる。
自分なんかいなくてもだれも困らない。
なにをやっても楽しくない。
ご飯がおいしくない。
もう死にたい。

こういうことを繰り返し聞かされると、だれでも気が滅入ってしまいます。

でも、ちょっと待ってください。
なぜ年寄りはこのようなことを「繰り返し」「あなたに」聞かせるのでしょうか。
そこにはなにか理由=ニーズがあるはずです。

話を聞いてもらいたい。
大事にしてもらいたい。
見てもらいたい。
いまの自分の状態を理解してもらいたい。

あなたとのつながりを切実に必要としていて、ヘルプのサインを出しつづけているのかもしれません。
そんな年寄りの話を、あなたはきちんと、興味を持って、とことん聞いてあげたことはありますか?

幸いなことに私には経験があるんですが、一度でもきちんと、興味を持って、覚悟を決めてとことん話を聞くことをすると、「聞いてもらえた」という経験記憶が年寄りに残ります。
「また聞いてもらえる」という安心も生まれます。
もしこちらに余裕がなくて聞けないことがあったとしても、「いまは聞けないけど、今度時間があるときにゆっくり聞かせてね」と伝えると、安心して引きさがってくれます。

おたがいに尊重しあっていることが必要なのです。
こちらも年寄りを大事にしたい、話を聞いてあげたい、相手も大事にされたい、話を聞いてもらいたい。
共通のニーズがあって、しかしこちらに余裕がなかったり、あせりの気持ちがあったり、あるいは過去の関係性の痛みの記憶があったりするとつながりを大切にできなくなります。

どうすればお互いに大事にしあえる関係になるのか、いま一歩深いところに踏みこんで、思いきってみることが必要ですね。

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