彼女とはオーディオブックの収録を再開していて、新美南吉の小品などを何作か収録したが、つぎは芥川龍之介の小品をやりたいというので、それを聴かせてもらう。
オーディオブックの収録はほかに野々宮卯妙と夏目漱石の『行人』を進めている。
ところが、長年使っていたMOTUのオーディオインターフェースがいよいよ新OSに対応していないということで、買い換えることにした。
朗読と、せいぜいヴォーカルを収録する程度なので、2イン2アウトのコンパクトな、しかし最新機種を買うことにした。
せっかく買うので、オーディオコンテンツをできるだけたくさん作りたい。
ヤザワちゃんから差し入れをいただく。
濃厚チーズケーキと飲むソフトクリーム。
ん? 「飲む」ソフトクリーム?
飲んでみると、たしかにソフトクリームの味。
溶けてしまったソフトクリームといった感じ。
まあおいしいけど、これ、そんなに需要あるのか?
てな話題でさんざん盛りあがったあとで、朗読を聴かせてもらう。
このところ不思議なことに、だれかの読みを聴くと即座に演出的アイディアがいくつも沸いてくる。
それを反映してもらって、うまくいかないこともあるが、たいていおもしろくなってくる。
かねてからいっていることだが、朗読の世界には「こう読みなさい」という教育的指導者ではなく、「こうやってみたらどうなる?」という演出的コーチがもっともっと必要だろうと思う。
そうすれば日本の朗読界ももっとおもしろく、楽しく、多くのみなさんに受け入れられるものになるだろう(おおげさ?)。
とはいえ、こちらの演出的アイディアをすぐに理解して、読みに反映していけるヤザワちゃんの読み手としての実力は、もうかれこれ12年以上になる現代朗読ゼミでのトレーニングベースがあってのことだろう。
さすがだ。
あたらしい読みとあたらしい機材、つぎの収録が楽しみだ。
ゼミ生が個人レッスンを受けるタイミングで臨時の現代朗読ゼミを開催します。身体表現あるいは音楽としての朗読を楽しみましょう。11月9(土)10時半から約2時間。