2016年10月19日水曜日

墨田区の小学校での音読授業ふたコマ

年に何回か依頼がやってくる小学校への出張音読授業に行ってきました。
墨田区の教育支援プログラムに現代朗読協会として登録していて、そちらをつうじて各小学校から依頼が来るのです。
これまで小梅小学校、中川小学校、第三寺島小学校、業平小学校、言問小学校など、いろいろ行きました。

内容は現代朗読の群読エチュードから発展し、いまは音読療法(ボイスセラピー)のワークといってもいいような内容になっています。
高齢者福祉施設でおこなっていることとおなじようなことですが、もちろん相手が子どもたちということで、より積極的に声と身体を使ったワークになります。

音読療法というものが実際にどのようなことをやるのかイメージできない、わからない、という人がいるようなので、今回の小学校でおこなった音読ワークの内容を簡単に紹介してみたいと思います。
記録映像も撮ってありますが、公開できないので、見てみたいという方は直接私にお知らせください。

今回は2年生ふたクラスが対象でした。
ひとクラスずつ、2時間めに1組を、3時間めに2組をやりました。
小学校なので、1時限が45分の枠です。
ひとクラスはだいたい25人くらいです。
サポートに唐ひづると岩崎さとこが来てくれました。

まずはご挨拶、自己紹介。
みんなの調子を聞くと、ひとりだけ風邪気味の子どもがいましたが、あとはみんな元気そうです。
もうこの時点で子どもたちがかわいくてしかたなく、私などはにこにこしてしまいます。

音読したりしゃべったりするときに、身体のどこを使うのか質問してみました。
口や喉だけでなく、いろいろなところを実際には使うんだということに、みんなはどんどん気づいていったようです。
そして「耳」という答えも出てきて、驚きました。

息を吸ったり吐いたり。
一定の速度でおこなうのが最初はうまくできなかったり、息こらえができずにすぐに吐きだしてしまったりしましたが、何度かやるうちにうまくできるようになります。

それから耳のトレーニング。
つまり、音をよく聞く練習。
1分間沈黙して、自分のまわりにどんな音があるのか、注意して音を聞きます。
これは子どもたちも大好きなようで、2度やったんですが、もっとやりたいという子が多かったです。
これはきっと、子どもの集中力を高めるのに効果があるでしょうね。
大人もそうだと思いますが。

そして音読エチュード。
今回使ったのは宮沢賢治の「風の又三郎」の冒頭の詩です。
みじかいものなので、一度は黒板に書きだしましたが、あとはおぼえてやってもらいました。
群読、リズム読み、輪唱読み、椅子を移動しながら、あるいは歩きながら、大きな声で、ささやき声で。
いろいろな読み方をして楽しみました。

45分はあっという間にすぎてしまいます。
これまでにもなかったわけではありませんが、今回はとくにどちらのクラスとも、子どもたちが私の身体に親密に触れてきて、手をつないだり、腕にぶらさがったり、服を引っぱったりと、距離感が近くてうれしかったです。
子どもたちが私のことを信頼しているようすが伝わってきたからです。
私が共感的コミュニケーションをベースに彼らを尊重しながら接しているからかもしれません。

音読療法では子どもたち相手でも、お年寄りでも障害者でも、あるいは成人でも、おなじようなワークをやります。
共感をベースにしたコミュニケーションのなかでワークは進行します。
だれもがのびのびと、いきいきと、自分を表現し、心身を整えていくことができます。
もっと多くの人に知ってもらいたいなと思います。
免疫力を向上させる音読療法は病気予防にも効果があります。

小学校での音読授業は、すこし先になりますが、年明け2月にもまた墨田区の小梅小学校でおこなう予定です。

ボイスセラピー講座@国立(11.3)
呼吸や声を使って自分自身や身近の人を癒し活力を養うボイスセラピーの概要を、半日で学び身につけるための講座です。この講座の受講修了が音読トレーナーの資格取得講座の受講要件となります。

音読トレーナー養成講座合宿(11.5-6)
介護予防に最適な音読療法ワークを指導する「音読トレーナー」の資格を取得する1泊2日の合宿形式の講座を11月5日(土)と6日(日)の二日間にわたって、都内近郊の会場で開催します。