2月28日、日曜日の夜。
下北沢の〈レディ・ジェーン〉にカルメン・マキさんを聴きに行ってきた。
7時半開演のところを、7時20分くらいに行ったら、入場待ちの人が行列を作っていて、びびった。
先日、予約をいれるためにビッグトリィに電話したら、大木さんからあやうく断られるところだったのを思いだした。
名前を告げてなんとか受け付けてもらったんだった。
会場は超満員で、ぎゅう詰め。
私の近くに詩人の条田瑞穂さんがいらして、私のことをおぼえていてくださった。
ちょっと窮屈ななか、遅れめでライブスタート。
バイオリンの太田惠資さんとピアノの清水一登さんがこの夜の楽器隊。
ふたりによる即興演奏からスタート。
まあその音楽会話の自在なこと、スリリングなこと。
たっぷり堪能させたあとに、マキさんがおもむろに朗読でスタート。
なんと、いきなり私の「眠らない男(人)(He Never Sleeps)」を読んでくれて、びっくりする。
それにしても、楽器とのからみが美しい。
朗読というより歌、歌というより声、そして音楽。
私が書いたテキストではあるけれど、内容なんてどうでもいいもんね(笑)。
というようなことはなく、このテキストはこれなりに意味の多重性をふくむ立体的な世界を提示しているつもり。
マキさんはそこのところを十全に読みこんでおられることは、聴いていればわかる。
オーディエンスの何人くらい、そのことを受け取ってくれているだろうか。
そのあとにつづけて歌。
どこまでが朗読でどこからが歌で、とか、音楽的構成がどうとか、そういうものをすべて超えて、カルメン・マキの世界としかいいようのない表現空間がそこにあらわれてくるように感じて、わくわくした。
ファーストステージではさらに私の「Bird Song」も読まれた。
まったくドキドキする時間だった。
セカンドステージもその延長ではじまった、と思ったのだが、さらに大きな展開があり、のりのりの曲あり、予測不能の即興あり、メッセージ性の強い朗読ありと、さらにスリリングな時間となった。
マキさんのライブはひさしぶりだったが、本当にこの人は日々動きつづけ、努力をおこたらないアーティストなのだな、と思った。
追っかけてみるに値する歌い手のひとりにちがいない。