「親密な関係における共感的コミュニケーション」の勉強会でいつもくりかえし確認することだが、親密な間柄であればあるほど、お互いに満たしたい/満たしあっているニーズは多い。
リストアップしてみればわかるが、おどろくほど多い。
親密な人ともっとも親密な関係の行動をとっているとき以外で、これほど多くのニーズを満たすことのできる行為を、私は知らない。
しかし、だからこそ、ちょっとしたすれ違いがあったり、ニーズを満たしあえなかったりすると、関係にヒビがはいってしまう機会も多いといえる。
お互いにとても大切にしている間柄だからこそ、ちょっとしたことでギクシャクしてしまいがちなのだが、それをたえず修復したり、メンテナンスしておくことが大事だ。
もしあなたがとても気にいった家に住んでいるとしよう。
その家にいることが大好きで、快適だし安心だとする。
きっとあなたはその家を大事にして、せっせと掃除したり、どこか壊れたところがあればすぐに修理したり、より快適にすごせるようにいろいろと工夫しようとするだろう。
親密な相手との関係も、それと似ているかもしれない。
いつも掃除して、修復して、より快適で安心なつながりを持てるように工夫する。
その掃除道具として、修理のツールとして、共感的コミュニケーションはとても役に立つ。
「こんなことをいったら彼は怒るんじゃないだろうか」
「こうしておかないと彼女の機嫌をそこなうかもしれない」
などと、お互いの顔色をうかがってすごすより、まずは自分のニーズや感情にもとずいてのびのびと表現したり行動できること。
その結果、相手のなんらかのニーズがそこなわれて、感情的に衝突したり、対立が生まれるかもしれない。
しかし、共感的コミュニケーションで修復をこころみればいい。
壊れた関係や失われたつながりは、かならず修復することができる。
そこに共感的コミュニケーション/NVC(=Nonviolent Communication/非暴力コミュニケーション)は信頼をおいている。
安心して表現しあえる関係であること。
好きなように怒ったり、嘆いたり、ぶつかりあったり、ジャッジしあえること。
そしてそうしたあとは、共感でふたたびつながりあえること。
共感的にお互いのニーズでつながりなおしたとき、その関係性は以前のものにもどるだけでなく、よりよいクオリティを生みだしているかもしれない。
◎親密な関係における共感的コミュニケーションの勉強会(4.23)
共感的コミュニケーションでもとくにやっかいだといわれている親密な関係であるところのパートナーと、お互いに尊重しあい、関係性の質を向上させるための勉強会を4月23日(土)夜におこないます。