監督はシェーン・アベス。
私はこの人のことを聞いたことがなかった。
ストーリーは「エイリアン」「イベント・ホライゾン」「28日後」「バイオハザード」といったSFホラー映画の系統に属するもので、真似、もしくはパクリ、ということもできるだろう。
もっとも、ひとつのジャンルとしてこの手のものが確立しているような気もする。
生活困窮のために主人公は身重の妻をおいて、地球から遠く離れた惑星に出稼ぎに行くことを決意する。
スリップストリームという技術で遠い天体まで瞬間移動する術が確立されていたが、それにはリスクも伴うため、低所得者しかその労働には応じていない。
転送というとスタートレックを連想するが、映像的にはオリジナルな工夫がされている。
主人公がいざ転送されようとしたとき、予想外の事態が起きて、大惨事となる。
主人公は大惨事の原因となった基地へと、ただひとり、転送されてしまう。
ただちに救出チームが編成され、有能な兵士たちが主人公の後を追うが、そこには予想もしなかった事態が待ちかまえている。
ゾンビ的な感染ホラー、密室ホラー、宇宙空間、未知の生命体、人間の狂気と暴力、不安、家族愛、そういった定番の要素が詰めこまれたストーリーだが、オリジナリティがあちこちに散りばめられているところが拾いものかもしれない。
エンディングは「え、これで終わりなの?」という、ハッピーエンドなのかアンハッピーエンドなのか、解釈をオーディエンスに丸投げするような意外なものだ。
私はアンハッピーエンドと受け取ったのだが、ハッピーエンドと思う人もいるだろう。
そこのところは実際観てもらうしかない。
設定に甘さがあるとか、使い古されたアイディアであるとか、回収されていない伏線があるじゃないの、とか、いろいろいいたいことはあるが、まあこの手の映画は好きで、つい見ちゃうんだよなあ。
【メールマガジン「水マガ」毎日配信中】
水城ゆうの現在の活動にかかわるすべてのものについて、テキストコンテンツとして毎日配信するメールマガジンの登録はこちら。