2019年11月23日土曜日

いまここにいるということ「身体・表現・現象」(末期ガンをサーフする2(11))

■最後の検査ふたつ

放射線治療後、約1か月たって、検査をふたつ受けた。
11月19日に造影剤を入れてのCT検査。
翌20日に内視鏡検査。

造影剤の検査はこれで3度めで、慣れているといえば慣れている。
静脈から造影剤を注入すると、すぐに全身の血管がカッと熱くなる。
それが気持ちわるいが、痛みはなく、がまんできる。

内視鏡検査は最初に近所の町医者で食道ガンが見つかったときを含めて、これで4度めとなる。
何度も受けたいものではない。
2度めの検査では、生まれて初めてパニック症状に近いものを経験し、3度めの検査でそのことを告げたら(がん研有明病院だった)、配慮してくれて鎮静剤を打っての検査となった。
それが楽だったので、今回もお願いして鎮静剤を使ってもらったのだが、今回は(薬の種類が違ったのか)まったく効かなかった。
苦しかった。
30分くらいの検査が3時間くらいに感じた。

へとへとに消耗したが、ともかく検査は終わった。
これでしばらく検査はなし。
来週、外科と放射線科のそれぞれの担当医の診察があり、検査結果を聞くことになっている。

■来年のイベント予定は入れられないが……

15年以上いっしょに活動している語人(ストーリーテラー)小林佐椰伽ちゃんと、先週末、イベントに出演してきた。
このイベントの日程は夏前には決まっていたが、私のガンが発覚して、その進行や治療方針について医師から聞いたとき、ひょっとして11月のこのイベントに出演できるかどうかわからないかもしれないと思った。
そこでその旨を佐椰伽ちゃんのお母さんやイベントの担当者に伝えておいたのだが、幸い(肺炎以外は)体調は移動したりピアノを弾くには充分快調で、無事に終えることができた。

そのあと、さらに別のイベントの話が進んでいたらしく、今日は「来年の5月なんだけど」という連絡があった。
三重県菰野町のホールでの語りイベントの依頼だということだ。
さすがに5月の状況は見えない。
先日のイベントが無事に終わってほっとしているくらいなのだ、佐椰伽ちゃんのイベントのほかに、体調がよいことをいいことに福井県立病院でのピアノコンサートもおこなったし、11月末にはダンスと朗読との3人公演「ラストステージ/事象の地平線」と、パープルリボン・コンサートというものにも出演することになっている。
さらに、名古屋でも3人公演をやることになり、名古屋版の「ラストステージ/事象の地平線」の開催が決まっている。

やりすぎだと思うが、年内はなんとか活動できるだろうと読んでいる。
が、年明けには、とくにライブイベントの予定は入れていない。
ましてや5月とか……自分がどのような状況にあるのか読めない。

しかし、佐椰伽ちゃんのお母さんから「ではお断りしますね」といわれたときに、ちょっと待てと思った。
私が参加できないだけで、佐椰伽ちゃんの語りは町民の方から求められているのだ。
ほかに朗読の野々宮卯妙にも参加してもらいたいという要望もあった。
では、私が直接参加できなくても、サポートすることはできるのではないか。

たとえばだれかピアニストを頼んで、佐椰伽ちゃんの語りや朗読との共演をお願いする。
私にできる指導や演出や楽曲があれば提供すればいいし、私も参加できるようなリハーサルを早めにやってもらえれば協力はできそうだ。
だから、5月のイベントは受けてもらうように伝えた。

出かけていって演奏したり、話したり、交流したり、といったイベントの予定は入れにくいが、それ以外にできること、やりたいことはまだまだたくさんある。
たとえば、いまこれを書いているように、ものを書くこと、執筆すること。
音楽を製作すること。
みなさんと交流することだって、オンラインならいながらにしてできると思うし、来ていただく分には(時間にもよるが)いまのところ差しつかえはない。
げんに現代朗読ゼミや個人レッスン、オーディオブックの収録などはおこなっているし、続行できる。

まだまだ伝えきれていないことが残っていて、たとえばNVCをベースにした共感手帳術や共感文章講座なども、コンテンツ化しきれていないし、オンラインでの勉強会はもうすこしつづけて開催できるだろう。

体調管理に留意してできるだけ伝えていきたいと思っているので、いましばらくお付き合いいただきたい。

■京都のお話はお休み

バンドマン生活の途中まで書いた京都でのお話は、今回はお休みさせていただく。
次回、また。