2018年11月7日水曜日

サヤ佳ちゃんとの公演リハーサル、ゼミ個人レッスン

 語人《ストーリーテラー》サヤ佳ちゃんがお母さんといっしょに豊田から打ち合わせとリハートルに来た。
十一月二十五日に豊田市産業文化センターで語りの会を開催する予定で、それに私はピアノ演奏でサポート参加することになっている。また現代朗読の野々宮卯妙も共演する。

毎年のようになんらかの形で語りの会をやっているのだが、今年はとくに区切りの年で、サヤ佳ちゃんの語りの活動が満十五年ということと、三十歳ということで、半田市生まれの新美南吉を取りあげて開催することになった。半田市にある新美南吉記念館の学芸員の遠山光嗣さんをゲストスピーカーとしてお招きすることにもなっている。

 お母さんの希依子さんがかんがえてきた公演全体の構成をみんなで検討し、進行について打ち合わせしたあと、昼食をはさんでサヤ佳ちゃんと野々宮の共演演目である「ごん狐」のリハーサル。
(お昼ご飯は希依子さんが近所でわざわざお弁当を調達してきてくれた。ありがとう)

「ごん狐」は新美南吉のもっとも有名な作品だが、じつは世に知られている児童雑誌『赤い鳥』に発表されたバージョンとは別に、南吉が投稿したままのオリジナルバージョンがある。雑誌に掲載されたバージョンは、『赤い鳥』主筆の鈴木三重吉が加筆訂正を加えたものだとされているのだ。
 今回の公演では、一般にはあまり知られていないオリジナルバージョンを使うことになっている。『赤い鳥』バージョンとは趣のかなりことなったもので、とくにラストシーンは読みようによってはまったく意味の違うものに取ることもできる。

 私の演出を加えながらリハーサルを重ねていると、あっという間に時間がたってしまった。ゼミ生のゆきこさんのレッスンの時間が来て、彼女がやってきたので、野々宮が公演で読むもうひとつの作品をいっしょに聴いてもらった。結局、時間のつごうからその作品はカットすることになったのだが、ゆきこさんが興味津々で聴いてくれたのはよかった。

 サヤ佳ちゃんたちが帰ったあとは、ゆきこさんの個人レッスン。野々宮も参加してくれて、朗読表現についてさまざまな気づきを交換したり、ニーズを聞いたり、実際に読んだり、身体の使い方を試してみたりと、充実した時間となった。