今日は午前中からオーディオブックの収録があって、ゼミ生に手伝ってもらった。
午前中は野々宮卯妙の半七捕物帳「大阪屋花鳥」の収録。
ゼミ生の満里菜が来て、収録オペレーションの練習を兼ねた実際の収録。
オーディオブックの収録をめざしている朗読者が、別の人の収録のオペレーションをやってみるというのは、さまざまな意味で有益だ。
気づくことが多く、自分の収録にも生かせることが多い。
なので、自分が楽をしたいということではなく(むしろ手間が増える)、オーディオブック・リーダーにはオペレーションにも参加することをすすめている。
午後は森沢幸が来て、やはり半七捕物帳「槍突き」の収録。
こちらは奥田くんがオペレーションをやってくれた。
ここで伝えたのは、読み手のモチベーションやパフォーマンスを低下させないオペレーションの技術について。
一見簡単に見えるのだが、読み手のリズムに自分のオペレーションを同期させ、とんとんとノリのいい収録リズムをキープさせることが有効だ。
これは音楽においてグルーブを共有するような感性に共通する。
また、読み手を最大限尊重するようなリスペクトも重要だ。
すこしでも読み手をコントロールしようとか、見下したりする態度がこちらにあれば、その収録は悲惨なものになるだろう。
オーディオブックの収録・製作については、血肉を注いでここまでやってきたという自負があるのだが、それを独占しだれにも伝えない、というようなことはしたくない。
むしろ逆で、私が経験し獲得してきたものは、すべてつづく人たちに伝えきっておきたい、という願望がある。
そのための、オーディオブック収録・製作・配信のノウハウにかんするハンドブックを、年明け早々から書きはじめてみようかなと思っている。
また、それを教科書としたネットミーティングを利用したテレクラス(地方の方など自宅にいながらにして受講できる講座)をスタートさせる計画も、いまかんがえている。