2014年11月6日木曜日

のびやかに表現できることで世界が変わる

昨日、大変うれしいことがあったので、報告したい。

昨夜は下北沢の旅カフェ〈Stay Happy〉で共感カフェをおこなった。
が、参加者が少なく、結果的にげろきょのゼミ生がふたりだけだった。
しかし、そこでうれしい話を聞いたのだ。

もう2年越しにメンバーであるゼミ生のひとりは、ずっと勤めている職場での人間関係に悩んでいて、自分が受け入れられていない感覚や仕事のスキルを得られない状況がつらいと感じていた。
その話を私や、音読療法士の野々宮が、ずっと聴きつづけ、共感しつづけていたが、なかなか状況は好転しない状態がつづいていた。

先の日曜日に〈サラヴァ東京〉で「エロイヒムの声」の公演があり、彼女も群読で参加したのだが、そのときに自分がのびのびと表現し、またこのような表現をずっと前からやりたいと思っていたことに気づき、楽しめたし、開放されたような気がしたという。
その翌々日、いつものように出勤してみたら、おなじ同僚や上司がいつもとは違って見えた。
これまで自分を攻撃してきたり、拒絶していたように見えていた彼らが、じつはそうではなく、彼らにもそれぞれのニーズがあり、また思ったほど悪意もなく、そして調子が悪くてつらそうにしている人もいることに気づいた。
そして、自分が置かれた状況がそれほどひどいものではないのではないか、と思えるようになったというのだ。

共感スキルと、評価を手放したのびやかな表現の世界、これが人の感覚をひらき、存在をひらく
ことに貢献することは間違いないことは、以前からわかっていたことだが、こうやってまた具体的な話を聞かせてもらうと、こんなにうれしいことはない。
共感をベースにした表現の場作りとしての現代朗読協会をやりつづけてきてよかった、と思える瞬間だ。

もっとも、現代朗読という手法も、またこの団体自体も、なかなか広く知られるにはいたっておらず、むしろ運営と活動は苦労を増すばかりだ。
このあたりでなんらかの見直しをしたいという気持ちが強まってきている。