2019年4月4日木曜日

映画:ライフ

2017年公開の合衆国・イギリス合作映画。
監督はスウェーデン出身のダニエル・エスピノーサ。

ひさしぶりに映画でも観てみようと思って、なにげなく観はじめたら、あまりの怖さにふるえあがった。
SF映画を観ようと思ったのだ。
とくに宇宙特撮ものは好きで、日常世界から遠くに、しかしリアルな映像で連れていってくれる。

最近は特撮というよりCGの技術が成熟したので、地上では撮影できないようなカットもどんどん映画にできる。
宇宙船やエイリアンの造形もそうだ。

この映画は宇宙ステーション(ISS)のなかが舞台になっている。
火星探査機が地質サンプルを持ってISSに帰還するのだが、途中で小惑星帯に接触して故障したままもどってくる、それをキャッチする、というシーンからスタートする。
冒頭のスリリングな長回しっぽいシーンなのだが、「ゼロ・グラビティ」を彷彿とさせる。
おそらくCGスタッフやスタジオは共通のものなのかもしれない。

そのあと、サンプルのなかに冬眠中の生命体を発見し、それを培養しはじめる。
それがどんどん成長していき……
あとはお決まりのエイリアンストーリーに展開していくのだが、展開や映像、そして役者がなかなかよくできていて、わかっているのに非常にスリリングな気持ちで見続けることができる(逆に気の弱い人は見続けることが困難だろう)。

俳優陣もいい。
日本人の真田広之が出ているのだが、すっかりハリウッド俳優となってなかなかがんばっている。
主演はジェイク・ジレンホールということになっているのだが、助演女優のレベッカ・ファーガソンのほうが主演といってもいいくらいだと思う。

ただ、エンディングがあまりに救いがない。
これは彼女が主演といえない理由にもなっているのだが、かといってジェイク・ジレンホールが堂々と主演といえるストーリーなのかというと、私にはそうは思えない。

制作側の思惑がこのようなバッドエンディングに落ち着いた理由なのだろうが、私が監督だったら絶対にもっとちがう展開にするだろう。

まあしかし、全体としてよくできた映画で、怖い映画が苦手ではない人ならかなり楽しめるといっていいだろう。