2018年6月30日土曜日

朗読に即興演奏をつけるということ(私のもっとも幸福な時間)

語人サヤ佳ちゃんが出演する7月28日の新美南吉生誕祭(半田市新美南吉記念館)と、11月25日の語りの会(豊田市産業文化センター)で、新美南吉の詩を何篇かサヤ佳ちゃんが朗読することになった。
それに私が即興でピアノ演奏をつける。

新美南吉は「ごんぎつね」や「てぶくろを買いに」など、童話やみじかいお話が親しまれている作家だが、じつは詩も書いている。
鈴木三重吉が主幹で北原白秋らも関わって大正から昭和にかけて発刊されていた児童雑誌『赤い鳥』に、南吉の詩がまず取りあげられ、やがて童話も掲載されるようになる。
「ごんぎつね」もそのひとつだが、その前に掲載された詩もなかなかすばらしい。

たとえば「光」という作品がある。

 畑の光のなかにゐる。
 黒い土をば耕かへしてる。

 町の光の中にゐる。
 馬をつないで売つてゐる。

 窓の光のなかにゐる。
 紡つむぎぐるまをまはしてる。

 くらい光のなかにゐる。
 鎚つちで金鉱たゝいてる。

 ――人は光りのなかにゐる。
   神も光りのなかにゐる。

南吉の詩はもうすこし注目されてもいいのでは、と思っている。
そんなことをかんがえていたら、ふと、以前、中原中也の詩を女優の岩崎さとこに読んでもらいながら、私がピアノを弾いて収録した一連の作品群があることを思いだした。
『みちこ』という朗読作品で、私がピアノをつけている。
電子書店パピレスでダウンロードができるようになっているが、
そのうちの一部の「みちこ」という詩の全編をYouTubeで紹介してみた。
よかったら、こちらからどうぞ。

朗読とピアノによるステージ表現に興味がある人がもっと増えてくれるとおもしろい。
朗読をボーカルととらえれば、そう特別なことでもないだろうと思う。


7月6日:動きと音の瞑想ワークショップ@渋谷
共感的コミュニケーションでつながった3人のアーティストとともに「自由」を探求する瞑想の旅へ。内的瞑想から、自由な形の瞑想へ。言葉や概念ではない「自由」を一緒に探り、体験し、表現してみませんか。19時スタート。