つまり、目前の仕事ひとつに集中することで、効率があがり、その人の能力が最大限に発揮される、ということです。
たとえば、パソコンに向かっているときは、できるだけいろいろなウインドウをあけておくのをやめ、ひとつのアプリだけに集中できるようにします。
ノートパソコンなら、1画面がひとつのアプリに占有されるように全画面表示にして、ほかの情報ははいってこないようにします。
メールやSNSから割りこんでくるような情報はシャットアウトし、目の前の仕事に集中できる環境を作ります。
たしかにそれは、自分が持っている限られた時間を有効に使うのに役立つような感じがして、私も一時期、タスクを並行処理する癖をやめようと努力してみたことがあります。
パソコンもひとつのアプリを全画面表示にして、その仕事だけに集中してみようと試みてみたのです。
しかし、人にはさまざまなタイプがあります。
私はどうも、シングルタスクに集中して仕事の効率があがるタイプではないようで、マルチタスクでいくつかの仕事をあっちいったりこっちいったりしてこなすほうが、より成果があがるようなのです。
現在はパソコン――MacBook Pro 13インチには、同時にいくつかのアプリケーションが立ち上げてあります。
まずこの原稿を書いている Scrivener というアプリ。
その後ろには Evernote が控えています。
ここにはさまざまな必要なデータが記述されていたり、ちょっとした覚書をパッと書きつけたりするのに使っています。
Macにはいくつもの画面を用途に応じて設定できる機能があって、私のようなマルチタスク人間にとってはとても重宝する機能です。
私は通常、3画面を使っていて、場合によっては4画面使うこともあります。
1画面めは執筆用。
上記のように Scrivener という執筆用アプリと Evernote。
2画面めはネット関連。
SafariとMailとTweetbot。
Safariは複数タブを使って、Gmail、Googleフォト、Blogger、Facebookを開いています。
Tweetbotはツイッターアプリです。
3画面めはタスク関連。
カレンダーと、TODOアプリの Omni Focus を開いてあります。
4画面めはワークスペースとして確保してあって、音楽やオーディオブック編集のときは Logic Pro X を、映像編集のときは Final Cut Pro または Premiere Pro を、ほかにもネットミーティングや電子書籍の編集などにも使います。
このような設定のマルチデスクトップを行ったりきたりしながら、いくつものアプリを切り替えて、いくつもの作業を並行しておこなうというのが、私の好みのスタイルです。
ひとつの作業はたぶん、長くとどまっても10分とか15分くらいのみじかいものです。
でも、10分集中できれば、たとえば文字数でいえば500字くらいは余裕で書けます。
そして時々は立ちあがって歩きまわったり、コーヒーをいれたり、料理をしたり、意拳の稽古をしたり、養生功で身体を見たり、ピアノを弾いたり、いろいろします。
まるで多動性症候群みたいですね。
でも、これがいいんです、いまのところ。
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