ちょうど20年前に右膝蓋骨の複雑骨折をやらかして、手術、入院、リハビリ、退院、ワイア抜きのための手術、入院、リハビリと、述べ半年ほど病院に世話になったあげく、リハビリの失敗(痛みをがまんしすぎて靱帯断裂)で膝が完全に曲がらなくなって、数年前までは歩行にも杖の補助が必要な状態だった。
なにが原因なのかはわからないが、すこしずつ故障の状態がよくなってきて、しゃがんだり正座することはまだできないながら、膝の曲がりはだいぶ回復したし、歩くのに杖はほぼ必要なくなった。
ふだんの私を見て、膝に故障があるとわかる人はまずいないだろう。
2013年から韓氏意拳の稽古をはじめて、その過程で山形の教練・高橋先生に診てもらったことがある。
西洋医学とはまったくちがうアプローチで治療や、日常生活での回復の練習方法を教えてもらい、さらに新橋の清水治療室を紹介してもらって何度か通った。
それがよかったのかどうか、わからないが、そのころから確実に膝の状態がすこしずつよくなってきていると感じる
ひょっとして韓氏意拳の稽古そのものが効いているのかもしれない。
国立に越して以来、昭島K-Studioの駒井先生にご指導をいただく機会が増えた。
駒井先生は韓氏意拳の基礎練習体系に、独自のアプローチを工夫されて、学びを深めることを推奨している。
積極的に運動することもすすめている。
それに刺激を受け、今年の春くらいから運動量を増やすこころみをしていたが、ジムのトレッドミルで速歩をやっているとき、ふと走れるんじゃないかと思った。
それまでまあちょっとだけ走ってみたことはあるが(横断歩道を渡るとか)、連続的にある程度の距離を走ったことはなかった。
その前に中野で講習会をやっている内田先生に相談したことがあって、そのときに踵をつけず、つま先重心で走ってみてはどうかというアドバイスを受けていた。
そのことにも気をつけて走ってみたところ、かるいジョギング程度の数百メートルなら、支障なく走れることがわかった。
これはうれしかった。
以来、すこしずつ距離をのばしながら走る練習をしている。
いまのところ、走ったり歩いたりを交互に繰り返して、せいぜい2キロ程度しかやっていないが、それでもつづけているとだんだん楽になってくる。
距離もそのうち楽に伸ばせるような気がしている。
走るなんてことはたぶん一生ないだろうな、とあきらめていたのだが、走れるとわかってやってみると、子どものころに無心に野山を走りまわっていたころの感覚を思い出したりして、楽しい。