ふと思いたって、アルコールを断つことにしてちょうど一週間がたった。
私はアルコールに強いほうではなく、グラスワインの1、2杯で顔に出てしまうくらいだが、20歳くらいからバーテンダーのアルバイトをしていたこともあって、お酒はずっと好きだった。
カクテルをたくさん作ったりもしたし、世界の酒にかんする知識も人よりはあるほうだと思う。
とくに最近はウイスキーが好きで、安酒ではあるが毎晩ほとんど欠かさず飲む習慣ができていた。
ふと気がつくと、飲まない日はないほどで、手元に酒がないと不安で床につくこともできないほどになっていた。
これはまさにアルコール依存症?
とはいえ、体調がわるいときなど飲まずに寝ることもあって、アルコールが切れて禁断症状が出るというほどでもなかった。
しかし、習慣的にアルコールがないと不安があるというのは、依存症といってもいいかもしれない。
アルコールが身体によくないことはよくわかっている。
せっかく運動しても効果が減ってしまうし、飲んでしまうと頭が麻痺してものごとをしっかりとかんがえられなくなる、感情的になりすぎることもある。
飲みすぎると翌日はつらい。
肝臓や心臓などにあたえる負担も大きいらしい。
ただ、好きで飲んでいるものを無理にやめるのはつらい。
もっとも、よくかんがえてみれば、本当に好きで飲んでいるのか、飲まないとそんなに困るのか、ということだ。
そんなことはないだろうと思って、一週間前に断酒してみることにした。
以来、とくに困ることはなく、また断酒したからといって特別になにか変わったことが起きたわけでもない。
体調がよくなったとか、目覚めがすっきりしたとか、そんなこともとくにない。
ようするに、なにも変わらない。
禁断症状もなく、飲まずに床についても、とくに寝つきが悪くなったということもない。
ただ、しらふでいる時間が長くなったのはたしかだ。
なにしろ飲んでないのだから。
ところで、断酒するにはちょっとしたコツがいる。
まず、手元に置いてある酒類を全部捨てる、などということは「しない」。
酒はそのまま置いておいて、飲みたくなったらいつでも飲める、という状況を保持しておく。
それから、なぜ酒を飲みたくないのか、酒を飲まないことによってどうなりたいのか、自分自身に共感して自分のニーズによくつながっておく。
そしてそのことを、ことあるごとに、とくに夜になったら再確認して、酒を飲むことで満たそうとしていたニーズをほかの手段で満たすことを試みる。
たとえば、楽しみのニーズだったら、酒を飲むこと以外の手段がたくさんある。
ハーブティーを飲むとか、あるいは飲食とはまったく別のこととか。
これについてはいろいろ方法があるので、機会があればあらためて書いてみようと思う。
最後に、断酒記録をつけておくとよい。
手帳に自分だけにわかる記号でいいので、断酒できた日をマークしておく。
そうやって「お祝い」を目に見える形にしておくことで、継続性が生まれる。